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日本時間13日午前2に、新型iPhoneのための発表会を行うアップルは、イベントに先駆けて、メジャーレーベルの一社ワーナーミュージック・グループと音楽ストリーミングのグローバルライセンス契約を更新したことが明らかになりました。2015年6月に始まったApple Musicにとって、これがメジャーレーベルと初の契約更新です。

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ワーナーミュージックは、エド・シーランやブルーノ・マーズ、コールドプレイ、マイケル・ブーブレ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどによる作品を制作リリースしています。さらに、インディーズ・レーベルとのデジタル・ディストリビューション契約を交わしているため、Major Lazerの「Lean On」やメタリカの「Hardwired To Self-Destruct」(ソニーと共同)などヒット作の流通も手がけています。

情報ソースによれば、アップルとワーナーミュージックは、Apple MusicとiTunesストアでのカタログ利用の契約で合意したと言われています。アップルは音楽サービスの売上をレーベルに分配する仕組みは継続していきます。変わると見られるのは、その分配率です。

一般的にアップルは現在レーベルにApple Musicの売上高58%を支払っていると言われ、これはSpotifyが一般的に支払ってきた分配率55%よりもレーベルにとってメリットの高い契約でした。新たな契約でアップルは、レーベルに対して現行の分配率を55%まで引き下げる契約内容を提案していると言われてきました。

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レコードレーベルと音楽ストリーミングサービスの間で頻繁に起こる、ロイヤリティ料分配を巡る議論は、レコードレーベルや権利保有者たちが受け取るロイヤリティ料分配の減率に合意する一方で、有料ユーザーのみに期間限定でコンテンツを配信する仕組みや、マーケティング用のデータの共有、契約期間の短縮などの提案をレーベル側が行うことで、両者が歩み寄っています。

先日、Spotifyはユニバーサルミュージック、ソニーミュージック、ワーナーミュージックの大手3社、インディーズレーベルを取りまとめる団体Merlinとライセンス契約を更新、その中では同様の契約に合意したとレポートされてきました。

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定額制音楽ストリーミングサービスの普及が要因となり、世界音楽市場は近年プラス成長に傾いています。2016年の売上高は前年比5.9%伸び157億ドルを達成し、音楽の売上は今後も拡大していくと予想されているため、各サービスにとっても音楽コンテンツのビジネス的価値が数年前に比べて高まっていることは事実です。

一方、レコード会社のビジネスにおいても、定額制音楽ストリーミングサービスは、主要な収入源であり、ビジネスモデルを音楽ストリーミング中心に変えるための組織変更やサービス開発に着手し始める兆候が強まっています。特にアップルが発表したAIスマートスピーカー「HomePod」に代表されるAIアシスタント搭載デバイスの自宅での利用によって、音楽ストリーミングサービスへの入口はますます拡がると予想されることから、音楽再生がモバイルだけでなく自宅でも重要なコンテンツとなっていくでしょう。

ワーナーミュージックは、アップル、Spotify、YouTubeと音楽ストリーミングサービス大手3社と長期契約するレーベルとなりました。ソニーミュージックもアップルとの契約間近と伝えられていますが、ユニバーサルミュージックとの契約は先になると予想されています。そしてソニーミュージックとユニバーサルミュージックはYouTube、アップルとの契約更新には至っていません。

ソース
Apple Reaches Music Deal With Warner, Eyes Sony Pact Bloomberg


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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