ドイツの音楽業界団体BVMI(ドイツ音楽産業連邦協会)は、2018年上半期(1-6月期)のドイツ国内での音楽売上高で、史上初めて音楽ストリーミングの売上がCDの売上を上回ったと発表した。音楽ストリーミングが市場シェア47.8%を獲得し市場最大の収益源となったことで、ドイツで30年続いたCD独占状態が終わりを告げたこととなる。
ドイツの2018年上半期の実績は、売上高7億2700万ユーロ(約939億円)。2017年上半期が7億4200万ユーロで2%減少した。音楽ストリーミングの成長が象徴するように、ドイツの音楽市場は、デジタル音楽とフィジカル音楽の市場シェアが58.9%と41.1%と差が広がり始めた。
市場シェア別に見ると、音楽ストリーミングが47.8%、CDは34.4%、ダウンロードは8.5%、アナログレコードは4.4%だった。
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CDが売れる国ドイツは、もはや過去の話
ドイツは、アメリカ、日本に次ぐ売上規模第3位の音楽大国だ。
そして、日本と同様、「CDが売れる国」として長年音楽市場の構造を維持してきた。
しかし、ドイツでもアメリカや欧州諸国と同じように、CDの売上は年々減少。そして、2017年には初めてCDのシェアが5割を切り、45.5%まで減少したのだった。
CD売上減少を補う勢いで成長したのは、音楽ストリーミングのビジネスだった。その成長は2018年上半期も続いている。それは上記のチャートで一目瞭然でわずか12ヶ月の間に、音楽市場の構造が逆転したのだった。
フォーマット別の成長増減率を細かく見てみれば、音楽ストリーミングは前年比35.2%と大幅に増加した一方で、CDは24.5%、ダウンロードは23.4%と大きくシェアを落としている。
BVMI会長のフロリアン・ドゥリュッケ(Dlorian Drücke)は、「さまざまなオンライン音楽売上の貢献が業界の発展における明確な変化を示しています。この結果は、デジタルライセンシングのさらなる法的透明性の必要性を強調します。ライセンス契約はデジタル時代におけるクリエイティブ産業の活力源です。特に、音楽を配信しているユーザー投稿型サービスはライセンス契約を交渉しなければなならいことが明確になりました」と音楽業界のさらなる成長に向けて、ライセンス契約のさらなる改善を求める発言をしている。
また注目はアナログレコードだ。売上高は前年比13.3%減少した。これは、2006年以来初めてマイナスの変化だった。アメリカや他国で見られるアナログレコード復活とはまた違ったトレンドがドイツでは見受けられた。
参考までに、2017年ドイツで最も売上を出したアルバムトップ10は以下の通りだった。
1.ヘレーネ・フィッシャー – Helene Fischer
2.エド・シーラン – ÷
3.Die Toten Hosen – Laune der Natur
4.Kollegah – Jung, brutal, gutaussehend 3
5.The Kelly Family – We Got Love
6.VA – Sing meinen Song Das Tauschkonzert 4
7.Peter Maffay – MTV Unplugged
8.Santiano – Im Auge des Sturms
9.Rammstein – Rammstein: Paris
10.デペッシュ・モード – Spirit
source:
2018 mid-year trend in Germany’s music industry: Audio streaming overtakes CDs (BVMI)