DJミックスやポッドキャストを配信する音楽ストリーミングサービス「Mixcloud」が、ユニバーサル・ミュージック・グループとグローバル規模で複数年のライセンス契約を締結した。
この契約によってユニバーサルミュージックのアーティストや権利保有者は、MixCloud内で楽曲が再生されれば収益を得られることができる。さらに、過去に再生された楽曲からのロイヤリティ料も支払われる。
MixCloudは、DJミックスやラジオ番組で流れる楽曲を認識する独自のコンテンツIDシステムを展開している。例えばアメリカでは、このIDシステムを軸にSoundExchangeやASCAP、BMI、SESAC、イギリスではPRS for Musicなど、各市場のロイヤリティ徴収団体と契約して、レーベルやアーティスト、作曲家に収益を分配している。
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MixCloudでは現在、無料サービスと、月額6.99ドルで広告無しにできる有料プランの二種類が提供されているが、有料プランの存在はあまり知られていない。
今後Mixcloudは、機能を拡充させたサブスクリプション型サービスも提供する予定だ。ユニバーサルミュージックとの契約は新サービスを含むライセンス契約となっている。
なお、ユニバーサルミュージックのグローバル契約だが、日本と中国は契約に含まれない。
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2017年にメジャーレコード会社でワーナーミュージック・グループがいち早くライセンス契約を締結していた。Mixcloudはサブスクリプション型サービスに参入することで、SoundCloudなどと世界規模で競争を強める狙いだ。ワーナーミュージックの契約も、日本と中国は含まれていない。
MixCloudはオンデマンド型の音楽ストリーミングサービスだが、SpotifyやApple Music、YouTube Musicなどアルバムやシングルトラック中心の配信と違り、長時間のコンテンツの配信とキュレーションを強みとしている。
配信するのは、DJミックスやラジオ番組、ポッドキャストなど、1500万以上のコンテンツだ。アーティストでは、Tiestoやデヴィッド・ゲッタ (David Guetta)、リッチー・ホウティン(Richie Hawtin)が利用するなど、エレクトロニックミュージックとの親和性の高さを見せているが、ジャズやラップなどあらゆるジャンルのインディーズ系ラジオ局やキュレーターも参加している。
サブスクリプション型音楽ストリーミングサービスは、世界の音楽市場の回復を牽引する原動力として、急速に音楽ビジネスの中心となっている。音楽業界がサブスクリプションで潤い始める中、音楽サービス各社はアーティストや作曲家、プロデューサーなどクリエイターに対する収益分配のシステムやライセンス契約、環境整備を急ピッチで進める傾向が世界中で強まっている。
DJミックスやポッドキャストからのマネタイゼーションは、未だにどのサービスも大きな成功を収めていない、今後伸びる領域の一つと見られている。Mixcloudがアーティストやプロデューサーにとってクリエイティブでもビジネスでも理想的な環境になるか、サブスクリプションへの参入に注目が集まる。
source:
Mixcloud and Universal Music Announce Multi-Year Licensing Deal (Variety)