コロナウイルス感染被害による音楽活動への影響が懸念される中、SpotifyやApple Musicなど音楽ストリーミングや、プレイリスト、SNSのデータを分析できるツール「Chartmetric」が、インディペンデント・アーティストに向けて、通常有料のChartmetricの機能を、無料で提供し始めました。
登録はこちらから。(登録期間は終了致しました)
https://bit.ly/2K34P9l
Chartmetricの利用に興味あるレコード会社の方や、マネジメント会社の方、レコード契約・ディストリビューター契約のあるアーティストの方がいらしたら、筆者までご連絡ください。
Chartmetricで広がるストリーミングの活用
Chartmetricは、世界中で音楽レーベルやアーティスト、マネージャーが活用する、音楽ストリーミングの分析ツールです。
主な活用法は、SpotifyやApple Musicなど音楽ストリーミングやSNSのオーディエンス分析や、新規リスナー開拓のリサーチ、狙うべきプレイリストの分析、コラボレーションするアーティストやクリエイターのリサーチなど、様々な活用法があり、レコード会社のマーケティング担当者や、インディペンデントアーティストから、ライブビジネス関係者まで、広域な音楽業界の企業が導入しています。
音楽ストリーミングの分析ツールで基本となるのは、Spotify for Artistsや、Apple Music for Artists、YouTube Analyticsなど、DSPのツールです。
そんな中、Chartmetricが重宝される理由は、海外市場を開拓したい時や、新しいオーディエンスやリスナーにリーチしたい時に参照できるデータを、クロスチャンネル式にプラットフォームを横断して提供してくれることが大きいと思います。
また、音楽ストリーミングサービスの中でのパフォーマンスを、他のアーティストと比較できることも、活用する価値に値します。
音楽ストリーミングを強化するためツール活用する時代
筆者もChartmetricを長く使うユーザーの一人ですが、すでに日本のレコード会社や、ストリーミングに注力する日本人アーティストの中にも、Chartmetricユーザーは存在します。
音楽ストリーミングの戦略や、SNSのコンテンツ施策を作るための貴重なデータが手に入る意味で、ChartmetricをDSPのツールと併用することが、お薦めです。
Chartmetricは、コロナウイルス感染拡大で被害を最初に受けやすい、インディペンデント・アーティストに対しての支援として、音楽ストリーミングからファンへのリーチや、新規リスナーの獲得、相性の良いDSPやソーシャルメディアで海外展開の戦略を作りやすくするため、有料のChartmetricの機能を、8週間の期間限定でアーティストとマネージャーに無料で提供しています。
対象は、レーベル契約のないインディペンデント・アーティストが対象で、SpotifyやApple MusicなどDSPですでに楽曲配信することが条件です。
手順は簡単で、Chartmetricのアカウントを作成した後、フォームに情報を入力してください。アカウント作成は無料で行えます。
音楽活動を続けるための環境を作る
世界各地では外出制限が長引き、日本でも外出自粛要請や、緊急事態宣言が続き、感染防止対策の世界的な長期化が見込まれつつあります。
こうした中、独自の活動を続けるインディペンデント・アーティストやプロデューサー、活動を始めて数年の新人アーティストは、音楽活動やライブからの収入の減少や、経済的な損失の問題が広がります。多くのアーティストにとって今後数カ月は、先の見えない自粛要請の中、活動を元通りに再開できるかの不安との戦いになります。
Chartmetricは「過去2週間の中で、大勢のアーティストが、フォロワーとのエンゲージメントを高めたり、新しいオーディエンスを獲得するため、自らの活動を革新させて、動画やデジタルメディアの今までにない活用方法を生み出しています。新進気鋭のアーティストにとっては、周りからのサポートも無い中で、新しいスキルを学びながら、厳しい状況において生活するための収入を確保しなければなりません。私達はChartmetricで見える、複数のDSPやSNSを横断したエンゲージメント、デモグラフィック、市場データで、価値あるインサイトを提供し、新進気鋭アーティストのイノベーションと成長をサポートしたいと考えました」と、独自に活動するアーティストをサポートする背景をこのように語っています。
また先日、アメリカのロサンゼルスや、ドイツでは、大規模イベントの年内開催は了承できないと、警告を発し、これにより多くのフェスやイベントの多くは2021年に延期や再調整される見通しが高まっています。
関連記事:大型イベントを再開できるのは2021年と、専門家や各国政府関係者が警告 (Resident Advisor Japan)
小規模な会場でのイベントやライブ、ツアーは、年内に開催できるかもしれませんが、プロモーターやチケット販売サービス、会場運営関係者にとって今後常にリスクが伴っていきます。いつ収束するか見通しが絶たない今、状況が安定するまでには、まだまだ時間がかかります。
ライブの収入に加えて、活動の機会を失ったアーティストにとって、日本政府や行政からの支援は遅れている今、収入が途絶えれば、音楽活動の継続にも直接影響が出てくるはずです。
ライブやツアーで生計を立てていたアーティストは、収入を得るには、必然的に収入源をストリーミングやデジタル環境から、生み出す必要に迫られています。
ストリーミングに加えて、ライブ配信やYouTube、デジタルダウンロード、音楽出版やライツビジネスなど、収入源を複数広げることが、今まさに取り組むべき領域でしょう。そのために必要なのは、的確にファンやリスナーへ音楽を届ける方法を考え直したり、予算を見直して、狙うべき音楽市場を明確化することでしょう。
Chartmetricが提供するデータは、ストリーミングでリスナーを新規に獲得したいアーティストにとって、有益な情報になるはずです。
音楽ストリーミングのデータ分析については、筆者が先日、オリコンで執筆した特集記事「ストリーミング時代のツール活用マニュアル」を、こちらで無料公開しています。Spotify for ArtistsやApple Music for Artistsなどのツールや、Chartmetricで見るべきポイントなどを、まとめています。ご参考までどうぞ。
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source:
Chartmetric