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カリフォルニア州サンタモニカを拠点に、アーティストやマネージャー用のツールを開発する音楽スタートアップ「IndieFlow」が、400万ドル(約55億円)の資金調達を行いました。

IndieFlow

IndieFlowが提供するのは、音楽配信からプロモーションまでの作業フローを一元管理できる、オールインワンのプラットフォームです。

IndieFlowでは、新曲配信やMV制作を円滑に進めるためのカレンダー、リリースプランの運用に必要な仕事を整理できるタスク管理ツールが標準装備されています。

また、チームで共同作業するための無制限のファイルストレージやファイル共有機能、外部の協力者がワークフローに参加できる招待機能も提供しています。

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IndieFlowでは、ライブのプロモーションもできます。プロモーターやタレントバイヤーのデータベースがあり、アーティストが直接ピッチして、ライブやイベント出演を交渉できるブッキング機能とカレンダー機能を標準提供されます。

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さらにIndieFlowは、独自のディストリビューション・ツールも提供。SpotifyやApple Music、Instagram/Facebook、TikTok、Deezerなどのプラットフォームへアーティスト自らが配信して、収益分配を得ることが可能です。

アーティスト収益化の側面でのIndieFlowの特徴の一つは、演奏権管理団体(Performance Rights Organization、PRO)やSongtrust、SoundExchangeへの登録が可能なことです。収益源を広げたいアーティストや作曲家は、ラジオやテレビ、クラブ、ライブハウスから徴収されたロイヤリティ収入を得ることができます。

大手レーベルやマネジメント会社、ディストリビューターでも、アーティストが活用できるスケジュールプラン機能や、タスク管理ツールは提供していません。

スケジュール管理にはGoogleシートやExcel、プロジェクト管理にはTrelloやMonday.com、Notionなどが今でも一般的に利用されるかと思いますが、一方で、こうしたツールは大変便利でもアーティスト仕様にはなっていないため、専用のテンプレートやカスタマイズが必要になってきます。

IndieFlowは、特にレーベル契約をしないインディペンデント・アーティストにとって自分たちのペースで音楽活動の準備、管理、成長を効果的に行うためのツールと説明します。

IndieFlowは、CEOで自身もインディペンデントなミュージシャンでもあるオメル・マッツ(Omer Matz)と、CGO (チーフ・グロース・オフィサー)のエラッド・パンコフスキー(Elad Pankovski)が2020年に設立しました。これまで数千組以上のアーティストがIndieFlowを活用してきました。

パンコフスキーは今回の出資を受けて次のように述べています「コンテンツ産業は、消費の変化によって、大きな変革期を迎えています。音楽業界は、ストリーミングやチケット販売などから500億ドル以上の収益を上げるコンテンツ産業の代表格となっていますが、一方でクリエイターは利益の享受から今だに最も遠い位置にいるのです。

技術的なツールの進化がゲーム業界や動画業界を変革する中、音楽業界は置き去りにされてきました。IndieFlowには、音楽制作の領域を根底から覆すチャンスがあります。今回のラウンドはそのための大きな一歩となるでしょう」

本ラウンドは、State of Mind Venturesがリードし、Oryzn Capital、5 Eyes venture、TechStars、StreamElementsの共同創業者のOr Perry、投資家で連続起業家のMoshe Gaonが参加しました。調達した資金は、組織の拡大、プラットフォームの成長に充てられる予定です。