世界中のアーティストの成長と収益拡大に向けて様々なサービスを提供する音楽ディストリビューターのSymphonic Distributionは、米国ナッシュビルに拠点を置く音楽マーケティング・エージェンシーのStreaming Promotionsの買収を発表しました。
Streaming Promotionsは2015年の設立以来、音楽ストリーミングで成長するためのプロモーションサービスを、レーベルやマネジメントに提供しています。
特にStreaming Promotionsはプレイリスト・プロモーションを得意としており、1500以上のプレイリスト・キュレーターとネットワークを構築しています。
これまで3000組以上のアーティストがサービスを活用した実績があり、Baha Men、エンリケ・イグレシアス、For King & Country、Drew Holcomb & The Neighbors、Judah & the Lion、Daughtry、ティム・マグロウなど、ポップ、ロック、オルタナティブ、カントリーと多様なジャンルのアーティストがいます。
買収後もStreaming Promotionsは独立してサービスの提供を世界中のアーティストとレーベルに続けていきます。今後はSymphonicのインフラと技術を活用して、新規アーティストの獲得、サービス拡充、事業拡大を狙います。Symphonicは買収額を明らかにしていません。
今回の買収を行ったSymphonic Distributionsは、米国フロリダ州タンパに拠点を置き、世界中のアーティストやレーベルをクライアントに持つ、インディペンデントな音楽ディストリビューターです。2006年に、元音楽プロデューサーで、現CEOのホルヘ・ブレア (Jorge Brea)が同社をローンチしてから、一貫してインディーアーティストとレーベルの成長と収益化に繋がる配信、マーケティングサービス、動画配信、プレイリスト・ピッチング、テクノロジー開発に注力しています。
過去数年に渡り、拠点拡大と海外展開を進めており、現在はタンパの他に、ニューヨーク、ロサンゼルス、ナッシュビルにオフィスがあり、すでに南アフリカ、ブラジル、コロンビア、ドミニカ共和国、メキシコ、スペインなどに進出。ローカル音楽シーンに精通した現地のA&Rとマーケティングの人材を採用して、新規アーティストの獲得、契約、育成に視野を広げています。
2022年1月には、3700万ドル（約50億円）の資金調達をベンチャーキャピタルのNewSpringとBallast Point Venturesから実施しました。これまでにSymphonicが4100万ドル（約56億円）を調達してきました。
調達した資金は、事業拡大のための企業買収に使われてきました。同社は2022年5月に、カナダに進出するために、独立系音楽ディストリビューターでレーベルのHigher Reign Musicを買収し、カナダのインディペンデント・アーティストやレーベルに同社のツールやサービスの提供を始めました。Higher Reign Musicはこれまでソニーミュージックとディストリビューション契約を結んで配信を行ってきました。
Symphonicはまた、Web3の新規事業にも注力し始めています。2022年7月には、チャーリー・プースやカリ・ウチス、ベン・プラットのツアーマネージャーを務めた経験を持つジョナサン・カーメル（Jonathan Carmel）が、SymphonicのWeb3 & NFT事業統括に就任しています。カーメルとSymphonicは、ソーシャルトークンやNFTなどを活用した音楽活動に着目するアーティストが使えるツールキットやサービス開発に向けたWeb3企業とのパートナーシップを強化する狙いです。
source:
Symphonic Distribution Acquires Streaming Promotions (Symphonic Distribution)
Tampa music tech firm Symphonic Distribution raises $37 million investment (Tamba Bay Times)
Jonathan Carmel appointed Web3 and NFT Lead at Symphonic Distribution (Music Business Worldwide)
