インディーレーベルのデジタル音楽プラットフォームとのライセンス契約交渉を行うデジタルエージェンシーのMerlinは、中国のショート動画アプリ大手「快手Kuaishou」とライセンス契約で合意したことを発表しました。

TikTokに次いで中国2番手の動画アプリである快手は、2022年8月にワーナーミュージックと、今年9月にはワーナー・チャペル・ミュージックと、メジャーレコード会社の楽曲を配信するグローバル・ライセンス契約で合意していました。

快手のDAU(デイリーアクティブユーザー数)は3億5000万人以上、MAU(月間アクティブユーザー数)は5億9000万人以上と、中国内で成長が続いているアプリである一方、中国以外でもユーザーを伸ばしてきました。

中国外では南米市場向けに「Kwai」、アジア向けに「SnackVideo」と地域別のアプリを運営しており、中国外の月間アクティブユーザー数は1億8000万人以上まで利用が進み、快手によれば、同社のアプリはMENA(中東・北アフリカ地域)と南米で最も人気のアプリであると述べています。

Merlinと契約するインディーレーベルとアーティストは、Kwai、SnackVideoなど、快手が運営するアプリでの楽曲配信が可能になり、南米や東南アジア、南アジア、中東、北アフリカなど世界市場とオーディエンスに向けたアプローチやプロモーションに注力しやすくなります。

Merlin CEO ジェレミー・サイロータ

MerlinのCEO、ジェレミー・サイロータ(Jeremy Sirota)は快手とのライセンス合意について「Merlin会員の楽曲レパートリーは世界で最も時代を象徴し多様性に富んだ音楽で、この躍動的で広範な楽曲カタログを快手のサービスに提供できることをうれしく思います。インディペンデントな音楽は、SNSの領域を牽引する存在です。私たちは、このプラットフォームにおいて長年のリスナーと繋がる方法だけでなく、新規のファンを見つける新しい方法を開拓することで、会員をサポートしていきます」と述べています。

2022年に入ってから、Merlinは、韓国の音楽ストリーミングサービスのFLO、YouTubeクリエイター向けに動画制作用の楽曲をライセンスするLickd、画像/動画SNSのPinterestと、インディーレーベルの楽曲配信でライセンス契約を結んでいます。

昨今のMerlinの交渉戦略は、既存の音楽サブスクリプションでの配信で終わりません。UGCコンテンツ創出や動画SNSでのコンテンツ消費など、今までの音楽消費以外の領域で、インディーレーベルの音楽が利用されるため、世界中の企業と交渉に取り組んでいることが伺えます。

Merlinの会員メンバーに参加する際のメリットは、こちらで読むことができます

source:

Merlin Strikes Multi-Territory Licensing Deal With Social Platform Kuaishou


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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