ワーナーミュージック・グループは、同社の音楽カルチャー・メディア事業を売却しました。
売却したメディアは、ユースカルチャー・メディアのUproxx、ヒップホップ・メディアのHipHopDX、スポーツ・カルチャー・メディアのDime Magazineなど、 音楽メディア及びカルチャー・メディア・ブランドが含まれます。
ワーナーミュージックは、2018年にUproxx Media Group、2020年にHipHopDXを買収していました。
メディアの売却先は、新会社「UPROXX Studios」です。
同社は、ブラック・アイド・ピーズのメンバーで音楽プロデューサーのwill.i.amと、ヒップホップ・レーベル「Rawkus Records」共同創業者でUproxxの元CEOのジャレット・マイヤー (Jarret Myer)、カルチャーメディア「Complex」共同創業者で元CEOのリッチ・アントニエロの3人が設立した、新しい会社です。
UPROXX StudiosのCEOには、マイヤーが就任します。will.i.amはパートナー兼投資家、アントニエロはパートナー兼会長に就任します。
UPROXX Studios は、買収契約の一貫で、米国内でワーナーミュージックが保有するYouTube広告インベントリを独占的に取り扱うライセンスが提供されます。
同社はまた、will.i.amが設立したAIスタートアップ「Focus Your Ideas」(FYI) と連携します。両社は、UPROXX Studios内に、会話型AIを活用したブランドコミュニケーションを推進する「AI StoryLabs」を設立します。
このAIテクノロジーは、コンテンツ制作、広告、出版、消費者の消費、コンテンツ配信での活用が期待され、音楽やカルチャーに関心の高い消費者にリーチしたいブランドや広告主向けに提供されていくと考えられています。
UPROXX Studiosによれば、同社のメディアは毎月、米国で1億7000万人以上にリーチしており、動画再生は毎月120億再生以上を突破しています。
ワーナーミュージックは、2023年から、コスト削減目的の組織改編を続けてきました。今年2月、WMGのCEO、ロバート・キンセルは、約10%の従業員、約600人を削減するレイオフを発表しました。
レイオフの大半は、UproxxやHipHopDXなどのメディアや、SNSパブリッシャーのIMGNなどが対象でした。キンセルは、2月に、メディア事業の売却の検討についても触れていました。
メディア事業の売却の他に、ワーナーミュージックは、ポッドキャスト制作スタジオ「Interval Presents」の閉鎖を発表しました。
同社はInterval Presentsを2022年に設立し、音楽、ポップカルチャー、社会の話題に関するポッドキャスト番組の制作、配信してきました。
また、TikTokやInstagram、Snapchatなどでバイラル・コンテンツを制作する「IMGN」も閉鎖します。ワーナーミュージックは2020年にIMGNを買収しました。
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UPROXX Studios Blazes Independent Path