米国最大のコンサート・イベントチケット販売会社であるチケットマスター(Live Nation Entertainment)はファンとコンサートのより強固なつながりを目指し、ソーシャル機能を追加しました。
チケットマスターのネイサン・ハバード(Nathan Hubbard)CEOは企業ブログで新機能を発表しました。新しいシステムではチケットマスター・メンバーはどのコンサートに行くのかをチケット購入後に「Attending」ボタンをクリックすることで他のメンバーとシェアすることができます。
チケットマスターはFacebookとの連携も強化することで、メンバーはFacebookの友人で誰がコンサート・イベントに行くのか、話題にしているのかを確認することもできます。さらにアーティスト・会場ページにFacebookの「Like」ボタン、イベントページには「Recommend」ボタンを追加することでニュースフィードで情報フローを活性化し、コンサートを見逃すことも少なくなり、熱狂的なファン同士や友人同士で交流ができるようになります。
こちらは新機能を追加したホームページのサンプルです。
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2009年にコンサート運営大手のLive Nationと合併したチケットマスターは、音楽販売からコンサート主体のビジネスへと業界の方向性を再定義する企業として期待が高まっていました。
しかし現状は厳しい業界であることに変化はなく、2010年度第3四半期(7-9月)の純利益は5140万ドルと前年の6925万ドルから減少しています。以下に比較をまとめました。
コンサート数 2010:4907 2009:4775
売上 2010:18.4億ドル 2009:21.4億ドル
アテンダンス 2010:16447000 2009:19534000
チケット販売数 2010:86015000 2009:95385000
Live Nation経営陣もファンのチケット購入にソーシャルなつながりが与える影響を意識しており、チケットマスターだけでなくLive NationサイトにもFacebook連携やMyspaceを導入しさらにiTunesでもコンサート情報の表示を始めました。
image via TechCrunch
日本のぴあなどチケットサービスと大きく違うシステムは、購入情報を公にする点。日本では今は受け入れられないと思うが、地域に関係なくコンサートに行くときは友人や知らない人とでも音楽やバンドの話で自然と会話が弾む。こういう会話が自然とできるようなプラットフォームを提供していると考えれば、チケットマスターはeコマースではなくソーシャル・コマースに変わりつつあるといえます。これまで多くのスパムメールを受け取ってきたユーザーにとっても、親しい友人同士で共通の話題づくりができてうれしいと考えます。
さらに期待したいのはカスタマーサービスと、他社の参入、特にFacebookから直接チケットが購入できるサービスがあれば良いと思うのは自分だけでしょうか?
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