MTVは90年代に人気を博した音楽番組「MTV Unplugged」(MTVアンプラグド)をオンライン番組として2011年に復活させます。MTVがブルームバーグに説明した新しいUnpluggedの概要をご紹介します。
image via MTV
MTV Networksの社長であるVan TofflerはBloombergとの電話インタビューで、(インターネットとの連携で)ファンがアーティストと関われる仕組みを目指していると説明します。MTV Unpluggedの人気は1990年代後半に復活し、以来MTVは限られた数の番組を毎年制作してきました。2009年にオンライン版として復活し、革新的な番組としてその年のデイタイム・エミー賞を獲得しました。Tofflerはオンライン視聴を獲得するためプリンスやジョージ・ジョーンズ(カントリー)に出演してもらいたいと考えています。オリジナル版ではアーティストは100人以下のファンの前でアコースティックな演奏を披露しました。オンライン版では、2010年MTVビデオミュージック・アワード(VMA)でFacebookやTwitterを活用し視聴者数を27%アップさせたように、ソーシャルメディアを取り入れる計画です。
Tofflerはまたヘビーメタル番組「Headbangers Ball」やヒップホップ番組「Yo! MTV Raps」も、オンデマンドな分野かつ安価で制作が可能なため、オンライン版での復活を検討していると述べています。
MTVはすでにオンライン版のライブを放送開始しており、今月はマイ・ケミカル・ロマンスのウェブキャストを予定しています。
MTVの音楽・タレント担当のAmy Doyleはインタビューで、カニエ・ウェスト、レディオヘッド、ビヨンセ、キングス・オブ・レオンの出演をMTVは切望していると語ります。またDoyleは、ネット上のファンがアーティストのセットリストに影響を与える可能性もあると説明します。
Doyleは、「我々はソーシャルメディアの機能を拡充します。2011年に我々は新たな革新と復活したUnpluggedをもたらし、番組をさらに拡大してファンが幅広く参加できるようにしていきます」と述べています。
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ここ数年のMTVのソーシャルメディア活用には、番組を放送するインサイドアウト型から視聴者を取り込むアウトサイドイン型へと急速に移行する流れが見て取れます。こその例として、こちらはMTVが発表した上記のVMAと連動するウェブベースのアプリ「VMA Twitter Tracker」(VMA Twittertrackerサイト)で、VMAに関するつぶやきを閲覧することができるビジュアルツールです。
その他にはヤフーとのオンラインビデオでの連携や、Foursquareとのローカルマーケティングでの連携を実施しており、TV以外のユーザー体験をソーシャルメディアを通じて視聴者/ファンに提供しています。今年のVMAだけでもこのような取り組み。MTVのスピードと投資は、インターネットを敵対視する音楽業界において同局を異質な存在にすると同時に、テレビという媒体だけに依存せずブランドを確立しようとするビジネスの転換ではないでしょうか?
とは言っても今年のVMAは1140万人が視聴しており、過去最高の記録を達成しました。ただVMAはMTVサイトやヤフーでストリーミング中継していましたが、さらにモバイルからも最大120万アクセスが記録されました。
MTVはUnpluggedでどのようにソーシャルメディアを活用するかは公表していませんが、上記のVMAやオバマ大統領が出演した特別タウンホール集会番組のようにリアルタイムで使うことが想像できます。ただ、番組をコンテンツ化(デジタル音源、DVD化)できるところはUstreamやニコニコ動画とは違ってきますね。 イメージとしては11/6にUstreamで中継された坂本龍一教授(@skmt09)の北米ツアー生中継のような番組になるのでしょうか?
もしかするとすでにグーグルと「Google TV」に向けた番組制作を開始しているかも?!
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