米国で11/10から発売されるアンドロイドOS搭載のサムスン製タブレット「Galaxy Tab」に、フリーの音楽ストリーミングアプリ『Slacker Radio(スラッカー・ラジオ)』がプリインストールされて出荷されることが確認されました。
Slacker は、自分の選択したアーティストやジャンルに合わせてパーソナル化が出来るデスクトップベースのインターネットラジオです。ユーザー数は2000万人を超えており、事業収益はPandoraやSpotifyと同様で、月額制のフリミアムモデルを採用しており、ユーザーは月額利用料が5ドルで350万の楽曲ライブラリーから無制限に選曲できます。(Pandoraは月額6ドル、MOGは5ドル)。
Slackerの人気の理由には、スマートフォン向けSlacker Radioアプリが急速に拡大してきたことが挙げられます。対応するプラットフォームはiPhone & iPod Touch、ブラックベリー、アンドロイド、Palm webOS、Windows Mobile、そしてWindows Phone 7まで現在利用されているほぼ全てのスマートフォン向けOSで利用が可能です。また選曲プレイリストのデータをキャッシュメモリーに保存できるので、オフラインでも利用ができます。さらに有料版Slackerは米テレビ局ABC放送のラジオ局と提携しており、最新のニュースをストリーミング配信しています
ニュースを伝えたPC Magによると、
Slacker Radio for Galaxy Tabは、高解像度のアルバムアートをデバイスの洗練されたディスプレイで表示でき、ユーザーは130以上のラジオ局を視聴したり、カスタマイズした制限のないプレイリストをカスタマイズできたり、人気の曲や最新のヒット曲の視聴することができ、さらにデータキャッシング機能によりWifiや電波の届かない場所でも視聴することが可能になります。
“Slacker Radio for the Galaxy Tab offers high-res album art to take advantage of the device’s high-res display and provides the functionality that our listeners have come to love including, over 130 genre stations, an unlimited amount of listener-created stations, the hottest hits and breaking songs and station caching for listening to Slacker even without a WiFi or cell signal”.
個人的にはこの発表は、モバイル端末におけるデジタル音楽体験が「ダウンロード」から「ストリーミング」へと変わる第一歩ではないかと考えます。
Slackerの魅力には、視覚的かつインタラクティブなUIと、数万曲の中から関連するアーティストを抽出してくれる優れた自動レコメンデーション機能があります。タブレットではスマートフォンと比べディスプレイが大きくなり、デジタル配信時代には無視されがちだったアルバムアートやアーティスト写真を楽しむマルチタッチな体験がさらに向上します。このユーザー体験に優れたレコメンデーション機能を加えることで、ユーザーは手軽でよりパーソナルな携帯型の音楽体験を獲得できると考えられます。
このような体験が自然の流れへと傾けば、ダウンロード販売に頼りがちな音楽市場において、音楽ストリーミングサービスでの有料会員化やデジタルコンテンツの購入など、新しい収益化モデルが実現するのではないでしょうか。
米国でのGalaxy Tab提供はスマートフォンの場合と違い、独占的なモバイル事業者によるサービスではなく、複数のキャリアから提供されます。Galaxy Tabにはベライゾン、スプリント、T-モバイルのモバイル事業者がそれぞれサービス(データプラン)を提供すると発表しています(AT&Tは料金プランは現在まで公表していません)。携帯キャリアは独自のサービスを展開するのではなく料金プランを提供するだけですので、キャリアによってサービスが利用できないという問題は発生することはありません。この仕組みも日本とは違い柔軟性があります。
製造元のサムスンは年内に全世界で100万台のGalaxy Tabを販売すると表明しています。
日本では音楽ストリーミングサービスの市場は広がっていませんが、今後SlackerとGalaxy Tabの取り組みからマネタイズできることが示せれば、日本のキャリアも積極的に取り組み始めるのではないでしょうか。
Slacker Radioは現在、米国とカナダのみ利用が可能です。
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