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米国で大人気ながら、日本や海外では展開していない音楽ストリーミングサービスPandora (@pandra_radio)が7500万ユーザーを突破したことを、創立者兼CSOにして、2010年度タイム誌が選ぶ最も影響力のある100人に選ばれたTim Westergren (ティム・ウェスターグレン)が自社ブログで発表した。

Pandraは2005年に開設したインターネットラジオサービス。人気の音楽が聴けるだけでなく、新しい音楽を見つけられるミュージック・ディスカバリーツールとしても人気を集める。50人以上のミュージシャンやアナリストが楽曲を聴き特徴別に分析したデータベース、「Music Genome Project」システムを採用することで、リスナーのお気に入りにマッチする曲やラジオ局をレコメンドする機能がPandraの高く評価される理由の一つである。サービスは基本はフリーで、広告収入と年36ドルの定額制プレミアムサービス「Pandra One」から収益を上げている。
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Pandraはユーザー数7500万人を突破した現在でも大規模なマーケティング活動に依存せずクチコミを活用して、新規ユーザーを引き寄せている。Westergrenはブログで、リスナーコミュニティの継続的なサポートに感謝を述べている。

In 2010 we doubled our audience to over 75 million people! And that was mostly thanks to continued word of mouth. (略)You now send us over 25,000 emails every month. What an incredible fountain of information, constructive feedback, and validation that continues to be… and those thumbs! In 2010 alone, you thumbed over 3 billion songs (mostly thumbs-up… phew!).

2010年に私たちのオーディエンスは7500万人を突破した!みなさんの継続的なクチコミのおかげです。今では毎月25,000以上のeメールが私たちに届けられている。情報の泉、積極的なフィードバック、今後も変わることのないみなさんの取り組みの正当性を実感しています。そして「thumb」(好きか嫌いかが選べる機能)! 2010年だけでみなさんは30億以上の楽曲にほとんどthumb upしてくれた。

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昨年、欧州の音楽ストリーミングサービス Spotify が1000万ユーザーを突破したことを書きました。規模にして

PandraはWeb 2.0/ソーシャルメディア企業として初期からユーザーとの対話やミートアップを重視してきた企業。新規サービスに加入するとWestergrenからメールが届くというのは驚きのホスピタリティだ。しかもエグゼクティブ自らがミートアップのためにツアーを組むこともあるそうだ。(CTOのTim Conrad (ティム・コンラッド)談 from Stanford’s Entrepreneurship Corner Podcast)
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Pandraが持つ独特のソーシャル性とコミュニティに先進テクノロジー企業との連携が盛んに行われている。Pandraが人気の理由はモバイルアプリだ。アップルのスティーブ・ジョブスがiOS 4.0を初公開したキーノートで、マルチタスキング機能のデモに選んだのがPandraだった。またFacebookが「Open Graph API」を発表した際にも、真っ先にPandraがパートナーに選ばれている。
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image from obama pacman

さらに先日行われたCES 2011でもPandraは大人気のサービスだった。フォード、GM、メルセデス・ベンツ、トヨタが車載インフォテイメントにPandraを採用したことを発表した。Pandra自身はマーケティングに全くお金を使わないが、優れたテクノロジーとパートナーのおかげでフォーブスや米ニュースチャンネルCNBCなど全国放送でインタビューを受けるまでにつながっている。ビジネスモデルだけでなくマーケティング活動も独自の路線を行くPandraには2011年も注目です。

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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