欧州で人気の定額制クラウド音楽ストリーミングサービス「Spotify (スポティファイ)」が、Facebookと提携し早ければ2週間以内にサービスを提供開始すると、Forbesがレポートしています。
連携サービスは現在テストが行われており、サービスが公開されれば、Facebookユーザーは「写真」や「イベント」などと一緒にニュースフィードの左側にSpotifyのアイコンが表示されます。
SpotifyアイコンをクリックするとデスクトップにSpotifyがインストール・起動できるようになり、Spotifyのライブラリー数百万曲にFacebook経由でアクセスすることが可能になります。サービスはまたFacebook上の友人と楽曲を同時に視聴できる機能も提供されるようです。
ご参考までに過去記事です。
今回の提携は、Facebookが映画や音楽などのメディアのハブとしての機能を強化することになります。3月にはワーナーブラザーズとFacebook Credits(Facebookポイント)を使った映画レンタルサービスを発表しました。
“Facebook Music”、 “Spotify on Facebook”などサービス名称は確定していないそうですが、新サービスは現在Spotifyがサービス提供される国々のFacebookユーザーに提供される予定です。したがってこのサービスは米国では提供することはできませんが、現在Spotifyが進めるレコード会社とのライセンス契約を巡る交渉が完了すれば、米国のFacebookユーザーに提供されると予測されます。
SpotifyのスポークスパーソンはFacebookとの提携に関しては知らないという様子。「我々(Spotify)はFacebook連携を提供しており、ソーシャル機能を今後も改善していくために出来る限り彼ら(Facebook)と協力していきます。しかしそれが我々とのリレーションシップの範囲です」と回答しています。Spotifyの共同創業者のDaniel Ek氏はコメントを避けています。
左が共同創業者のMartin Lorentzon、右がEk
SpotifyはFacebook Connectと連携し、ユーザーがFacebookの友人と何を聴いているか公開できたり、視聴曲をニュースフィードに送ったりできるソーシャル機能をインターフェースに用意しています。新サービスも同様のソーシャル機能が提供される予定です。
以前FacebookはSpotifyとの連携を称賛したことがありました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
今回の提携により、Spotifyにとって新たなユーザー獲得が実現し(Spotifyは昨年ユーザー数1000万人を突破)、視聴時間が月10時間制限の無料サービスから無制限のプレミアムサービスへの移行が期待できる。
ご参考
image via Forbes ご存じの方もいるかもしれませんが、マーク・ザッカーバーグは自分がSpotifyのファンであることを公言したことがありました。
FacebookとSpotifyには2社に投資する投資家が数人存在します。香港の実業家である李嘉誠、ロシアの投資グループDigital Sky Technologies (DST)を率いるユーリ・ミルナー、Facebookの元社長でP2P音楽サービス「ナップスター」の共同創業者のショーン・パーカーは、Spotifyの取締役を勤めています。
アマゾンのクラウドサービス、グーグルの「Music Beta」に引き続き、アップルと今回のSpotifyの展開と音楽サービスの周辺がにわかに騒がしくなってきました。
元から口コミで広がったSpotifyがFacebookと提携することは自然に思えるし、プレイリストの共有から音楽をベースにしたソーシャルインタレストグラフの活用や、エンゲージメントの高い新しい音楽プロモーション手法も考えられ、これまで購入という消費形態が主だった音楽体験に変わり、他社には無いソーシャルな音楽体験がユーザー間で実現できる気がします。
続報に大きく期待しています。
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