世界的に成長を続ける、サブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」は、ニューヨークオフィスを拡大し、2014年末までに130人のエンジニアを新たに雇用することを発表しました。Spotifyの決定は、急成長を続けるニューヨークのテック業界に更なる勢いを与え、ニューヨーク市の新たな雇用の拡大、さらには未来の人材の育成にも寄与します。
ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグとチーフ・デジタル・オフィサーのレイチェル・ハオット(@rachelhaot)がSpotifyの発表会見に参加し、市長自らがオフィス拡大を発表しました。ブルームバーグ市長はSpotifyの拡大による急成長するニューヨークのテック業界の活性化を歓迎します。
Spotifyが130人のエンジニアを雇用しニューヨーク市で事業を拡大して成長し続ける決定は、私達が行なってきた学生達が科学やテクノロジー、エンジニアリング、数学を学習できるよう後押しする取り組みを明確に裏付けてくれます。
またニューヨーク市とSpotifyは、関係性をさらに強化する目的で、今週末に教育機関向けの音楽ハッカソンを開催します。
音楽ストリーミング「Spotify」とニューヨーク市が世界で初めて音楽教育向けの音楽ハッカソンを開催へ
現在Spotifyでは世界で約700人、米国では約220人ほどが働いており、ニューヨークオフィスには、約エンジニア75人と営業などに75人がいます。オフィス拡大に伴い、Spotifyのニューヨークの体制はエンジニアだけで200人を超える大所帯となる予定です(Spotify最大のオフィスは本国スウェーデンのストックホルム・オフィス)。
Spotify(スポティファイ)とは?
サブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、オンデマンドのストリーミング配信やアーティストラジオ機能などを、無料と有料で提供する聴き放題が可能な音楽サービスです。Spotifyは現在音楽カタログ数2000万曲以上を保有し、メジャーレーベルやインディーレーベルの楽曲を配信しています。ヨーロッパ諸国、米国を含む世界28ヶ国でサービス展開し、今年に入って香港やシンガポールでもサービスを開始しました。現在世界でアクティブユーザー数2400万人、有料会員数は600万人に成長しており、日本でも今年中のサービス開始が期待されています。
SpotifyにはPCやMac, スマホやタブレット、デジタル家電などからアクセスが可能です。
Spotifyは今回のオフィス拡大と共に新たな人材で「ソーシャル」、「モバイル」、「ラジオ」、「ミュージックディスカバリー(音楽発見)」と同社の4つのコア事業をさらに強化する予定と、Spotifyのチーフ・マーケティング・オフィサーのジェフ・レヴィック(Jeff Levick)は語っています。
Spotifyはオフィスの移転を9月に始める予定です。Spotifyは現在チェルシー地区にあるGoogleのニューヨーク本社ビル内にオフィスを間借りしている状況です。オフィスの拡大により、Spotifyのニューヨークオフィスは米国最大になります。
Spotifyは新たなオフィス開設とブルームバーグ市長の訪問をTwitterで発表しました。
We <3 NY! Today @NYCMayorsOffice dropped by to help us celebrate our role in NYC's growing tech community pic.twitter.com/g91EXazIto
— Spotify (@Spotify) June 27, 2013
また市長のチームも同じくSpotifyオフィスを訪問したことを写真付きでツイートしています。さらにSpotifyでアカウントを開設し、ニューヨークにちなんだ選曲のプレイリストを公開し、Spotifyの決定を祝福しています。
Start spreading the news: @Spotify is expanding in NYC & @NYCMayorsOffice made a playlist to mark the occasion: http://t.co/W89Ifur8KE
— Mike Bloomberg (@MikeBloomberg) June 27, 2013
.@Spotify is adding 130 new engineering and tech jobs in #NYC by the end of 2014: http://t.co/BKXKvopbAI pic.twitter.com/ywWreujMjn
— Mike Bloomberg (@MikeBloomberg) June 27, 2013
Spotifyにはオバマ大統領もアカウントを持っており、自らが影響を受けた音楽プレイリストを選挙活動中に公開して、有権者と音楽を通じてコミュニケーションを図っていました。
まずはSpotifyのオフィス拡大、おめでとうございます。3年前にニューヨークオフィスを開設したときはわずか20人体制だったことを考えれば、いかにアメリカで急成長しているか、そしてアメリカがどれほど重要なマーケットなのかが伺えます。
また急成長を続けるSpotifyは、世間やメディアからも注目を集める熱いデジタルサービスの一つです。したがってSpotifyがニューヨークを拠点にすると決定したことは、市にとっても大きな勝利となります。
またSpotifyにとっても、サンフランシスコに拠点を置くRdioやシアトルが本社のRhapsodyとは全く別の東海岸を拠点とし、さらにスタートアップや大企業が集まっているニューヨークでは新たな人材確保に困ることは少ないでしょう。音楽サービスがそれも外国の企業が都市の雇用拡大に貢献できるなんて、それだけ可能性が大きいということですね。
日本でも早くSpotifyが始まらないか、今から正式発表が楽しみです。
ソース
Mayor Bloomberg Helped Spotify Announce Its Big NYC Hiring Spree(6/28 Business Insider)
Spotify confirms plans for original content at press event with Mayor Bloomberg(6/28 Engadget)