若者に人気の高級ヘッドフォンブランド「Beats by Dr. Dre」を運営するBeats Electronicsは、世界的な投資ファンドのカーライル・グループから出資を受けたことを明らかにしました。
交渉に詳しい情報ソースによれば、カーライルの出資額は5億ドル(約493億円)。これによりBeats Electronicsの企業価値は、時価総額10億ドル以上に上がりました。
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Beats Electronicsはまた提携関係に合った携帯メーカーHTCから25%の株式を買い戻します。HTCはBeatsの株式50.1%を2011年に3億ドルで取得しました。その後BeatsとHTCは戦略は投資の方向性で相違が生じたことから、提携関係が悪化したことで2012年にBeatsは1億5000万ドルでその半分を買い戻し、今回残りの株式24.84%を買戻しました。金額は明らかにされていませんが、情報ソースによれば2億6500万ドルだったと伝えられています。Beatsはまた手払手形1億5000万ドルも返済しました。
カーライル・グループの投資はBeatsにとって過去最大規模で、今後Beatsは同社の成長戦略を加速します。特にBeatsは従来のヘッドフォン以外の分野にも新規事業を拡大しています。スピーカー「Pill」やサウンド・システムなどのハードウェア・ビジネスに加え、音楽ストリーミングサービス「Beats Music」のローンチも間近に迫っています。
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一方HTCは「Beatsが今後も重要なパートナー」と公式に述べていますが、なぜ株式を売却したかその理由は明らかにしていません。今回の取引は年内に完了する予定です。
カーライル・グループのコンシューマー・リテール担当責任者サンドラ・ホルバック(Sandra Horbach)は
増大するスマートフォンやタブレットがデジタルメディアの消費を促進していく中、私達はBeatsが今後も高級オーディオアクセサリー市場において革新と成長を続けていくことを確信しています。
とコメントしています。
Beats Electronics to Receive Minority Investment from The Carlyle Group(発表資料)
独立した事業運営になることは今のBeatsにとって非常に重要。なぜなら新規事業への進出がモバイル以外にも拡大しているので、HTCに戦略を委ねることになれば、その分成長の速度が遅くなってしまう恐れがあります。独自の事業運営が可能なら、サウンド・システムや音楽ストリーミングサービス、デスクトップやモバイルなど、様々なプラットフォームでの展開が可能になります。
ソース
Beats Secures Investment From Carlyle and Buys Out HTC(9/27 New York Times)