アップルでソフトウェアとサービス部門を統括するエディー・キュー(Eddy Cue)は、アップルの広告サービスiAdの戦略を転換し、無料の音楽サービス「iTunes Radio」の収益化強化にフォーカスすることを決めた模様です。

AdWeekによれば、同社内で行われた(恐らくiAdチームの)スタッフミーティングでエディー・キューは、iTunes Radioはアップルの最優先事項であり、アプリ向け広告は優先順位が2番目であることを表明したそうです。アップルのスタッフの1人によれば、エディー・キューのメッセージは「iTunes Radioに取り組んでいなければ、その従業員は無意味」だということを指していたと発言しています。

アップルはiTunes Radioからの広告収益を最大化するために、アプリ内広告iAdをより音楽サービス向けに再編していきます。先日アップルはラジオネットワークCumulus Mediaの元幹部Michael PalladをiTunes Radioの国際営業事業のトップに採用しました。またアップルはiAdの価格帯をより多くの企業が支払える金額に改定すると伝えられています。

これまでiTunes Radioの広告は日産やマクドナルドなど大手ブランドが最大1000万ドル(約10億円)を支払い、エクスクルーシブな契約を結んできたと伝えられてきました。新しい広告価格帯は10万ドル(約1000万円)にまで下がっていると伝えられています。

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さらにアップルはiAd用にリアルタイムビディング(RTB)システムを構築し、広告入札の自動化を進めます。 ただしこのRTBシステムがモバイル向けなのか、Apple TVなどその他のプラットフォームまでカバーするのかは明らかにされていません。

iTunes Radioと競合するPandoraは、ローカルエリアでの営業チームをここ数年に渡り拡充することで広告ビジネスを強化してきました。また音楽ストリーミングサービスのSpotifyも広告モデルの無料モバイルサービスを開始しました。

ソース
Apple redirects iAd sales team to iTunes Radio, eyes self-serve for in-app ads(12/16 Apple Insider)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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