インディーズロックレーベル「Sub Pop Records」が定額制音楽配信サービスを開始しました。
シアトル拠点のレーベルは、定額性音楽配信プラットフォーム「Drip.fm」を活用し、有料会員にSub Popのリリースをメールで配信していきます。会員はSub Popの最新アルバム、最新シングル、バックカタログ、限定リリースなどのデジタルファイルを毎月3作、定額で手に入れることができる便利なサービスです。音楽ファイルは320kbpsまたはWAV形式でダウンロードが可能で、DRM制限はありません。
月額料金は10ドルです。アメリカだけでなく、日本からも利用することが可能です。
Sub PopのDrip.fmに加入すれば、ニルヴァーナ、フリート・フォクシーズ、Earth, Shabazz Palacesなどのリリースが入手可能です。最初にSub popのDrip.fmに加入したリスナー100人には、以下の超レアなリリースをダウンロードすることができます。
・ビーチ・ハウス「Bloom LP」(Loserエディション)
・The Postal Service「Give Up」(デラックスバージョン)
・マッドハニー「On Top」(レコード・ストア・デイ限定リリース)
Drip.fmは月額定額制音楽サービスのSpotifyやRdio、Beats Musicと違い、リスナーは好きなレーベルとつながるプラットフォームを実現した、新しいサブスクリプション型音楽ビジネスのモデルです。Drip.fmはエレクトロニック・ミュージックのインディーズレーベルGhostly Internationalが自分たちの音楽をコアなファンに直接届けるために開発したシステムを、他のインディーズレーベルに開放しています。Drip.fmでは会員が個々のレーベルごとに月額10ドルを支払い、収益は各レーベルに支払われます。またDrip.fmは参加するレーベルからシステム使用料や登録料などを徴収しないポリシーのため、参加レーベルは毎月少額ですが売上を期待でき、またコアなファンとつながり確実にリリースを届けられる手段を手に入れます。
音楽好きにとっても、好きなレーベルのサブスクリプションに加入すれば、毎月決まって新作や限定リリース、過去の人気アルバムを必ずゲットできる大きなメリットが生まれ、またレーベルとも音楽を通じて直接関与度を上げることができます。
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これまでもDomino Records, Stones Throw, Planet E、Hospital Records, OSWLAといったインディーズロック、エレクトロニック・ミュージック、ヒップホップなど多彩なジャンルのインディーズレーベルが参加し、音楽を配信しています。
SpotifyやRdioなど定額制音楽配信には「聴き放題」という大きなメリットがあり、何千万曲が聴きたい時に聴くことができます。しかし現在のこのプラットフォームでは、レーベルやアーティストと直接つながることはできません。
Drip.fmは「好きなレーベル」というテーマで音楽をインディーズレーベルからファンへ確実に届ける仕組みを作りました。インディーズレーベルはファンに音楽を届けようとしても、メール配信やサイトでの音源管理、クレジットカードの管理など、システム構築や追加コストが発生するなど、問題が発生し実現できない場合も多いと思います。Drip.fmはプラットフォームなので、中のシステム構築は心配する必要なく、コンテンツを届けることが可能になりました。これは今までできなかったカタチでの音楽配信を実現し、結果としてマネタイゼーションとファンとのつながりを作っていきます。
「レーベル愛」を持つファンと関係を構築していきたいインディーズレーベル向きなサービスの最先端を行っていると言える配信サービスです。小さなサービスですが、すでに大手のインディーズレーベルが利用を始めていることから、SpotifyやRdioなどとは違うカタチで今後も活用は広がっていく可能性は考えられます。
ソース
Sub Pop
Sub Pop Launches Subscription Service (6/20 Pitchfork)