アメリカの音楽市場では、iTunesストアの牙城が頂点に君臨しつつも、SpotifyやYouTube、Pandoraといった音楽ストリーミングサービスが急速に成長し、勢力図が大きく変化しています。
この音楽業界の変化の波は、アルバム売上にも流れ始めています。
ニールセンのSoundScanが先日発表した2014年前半のアメリカ音楽市場データによれば、2009年からCDアルバムの売上は年々減少傾向に入り、その代わりにデジタルの割合が増加している様子が見受けられ、アルバムの消費がデジタルに移行していることが分かります。
2014年前半にはCDの売上は6290万枚で、2009年の1億3640万枚の半分以下にわずか6年足らずで減っています。
しかしデジタルが成長したといっても、アルバム売上全体を増加させるほどまでには成長しておらず、毎年の売上総数は例年減少傾向にあります(アデルのメガヒット・アルバム「21」が出た2011年を除く)。
2014年前半で売上総数が100万枚を超えたアルバムは「アナと雪の女王」サントラのみです。
そんな中で、アナログレコードの売上枚数は、上昇傾向にあります。2009年にはわずか120万枚だったLP売上枚数は、2014年には400万枚となり、今年もアナログ人気復活の勢いは増すばかりです。
このチャートで示されていないのは、SpotifyやRdio、Beats Musicなどの音楽ストリーミングサービスからの視聴データです。音楽視聴がデジタルの中でも、ダウンロードからストリーミングへ移行して行く流れが今後数年間で完全に起きると考えられますが、その時ストリーミング再生回数からどのようにしてアルバム視聴をカウントしていくのか、今後のデータの活用には注目です。
そもそもアルバム総数の考え方が音楽業界の既存のビジネスモデルから生まれた指標であって、デジタル世代の音楽ファンにとってそれは意味を持たないものになるのかもしれません。
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ソース
Albums Suffer as CD Sales Decline – The Numbers (7/15 Wall Street Journal)