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ヒット曲「ロイヤルズ」でグラミー賞を受賞した17歳の新星ロードが、今秋に公開予定の人気映画『ハンガー・ゲーム:モッキングジェイPart1』のサウンドトラックで音楽キュレーターを務めることが発表されました。

これまで『ハンガー・ゲーム』シリーズのサウンドトラックは、ユニバーサルミュージック傘下のユニバーサル・リパブリック・レコードが製作してきました。ロードは2009年にユニバーサルミュージックと契約し、配信はリパブリック・レコードが担当しています。

これまで同シリーズには、アーケイド・ファイアの「Abraham’s Daughter」、テイラー・スウィフトの「Safe & Sound」、コールドプレイの「Atlas」、SiaとDiploの「Elastic Heart」など数多くの人気アーティストがオリジナル楽曲を提供しています。ロードも2作目『ハンガー・ゲーム2』のサウンドトラックにティアーズ・フォー・フィアーズのカバー「Everybody Wants to Rule the World」(邦題:ルール・ザ・ワールド)で参加しています。

音楽キュレーター就任とともに、ロードはサウンドトラックにオリジナル楽曲を提供する予定です。

ロードは、サントラをプロデュースすることについて「サウンドトラックは絶対みんなが驚く仕上がりになると思う」とコメントしています。

映画のサウンドトラックといえば大抵が人気アーティストが主題歌を歌うなど、音楽的な面で注目を集めることは多くあります。ですが映画音楽を使って話題を作り映画をPRするクリエイティブなマーケティングは、大きな予算を持つ映画でも余り行われていませんでしたが、今年は「アナと雪の女王」がDemi Lovatoや松たか子のカバーバージョンを使って「Let It Go,」を世界的な大ヒットに導いたこともあり、映画音楽でのマーケティングも変化しています。

そして今回ロードの音楽キュレーター起用。アーティストがサウンドトラックを手がけることは、映画と音楽の2つの軸から商品価値を高める新しいマーケティング戦略と言えます。人気の映画シリーズのファンには映画から音楽やアーティストを知ってもらい、そしてロードのファンにはアーティストの影響力やブランドから映画を知ってもらうことができ、2つのターゲットに映画をPRできるので、その結果見る楽しみ方が増え映画に対する関心も高まるメリットが期待できます。

このアーティストとサントラの関係は、ジェイZとサムスン、ビヨンセとペプシのようなアーティストと企業/ブランドが一緒にクリエイティブなマーケティングを行うブランドパートナーシップによる音楽マーケティングに近いとも言えます。企業とのコラボレーションだけでなく、コンテンツ単位でのコラボレーション、コンテンツ・ブランドとのコラボレーションも、音楽ビジネスの中で広がる可能性を示しているのが、今回のケースです。

『ハンガー・ゲーム:モッキングジェイPart1』は米国で11月21日公開予定です。

ソース
Lorde Will Pick Every Artist for ‘Hunger Games: Mockingjay’ Soundtrack (7/31 Mashable)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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