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9月10日のiPhone 6/6 Plusの発表会で開始したU2の最新アルバム「Songs of Innocence」は、開始わずか6日で3300万人以上がアクセスしたことをアップルが明らかにしました。

アップルのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長エディ・キューは、「iTunesでのリリース開始から6日間で、過去最高の3300万人がアルバムを聴きました」と述べています。

アップルのスポースクパーソンによると、3300万人のアクセス=アルバム視聴は、iTunesでの視聴に加え、アップルが提供している無料の音楽ストリーミングアプリ「iTunes Radio」、さらにアップルが5月に買収した定額制音楽ストリーミング「Beats Music」での視聴も含むとのこと。

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正確なダウンロード数は明らかにされていません。

アップルのティム・クックCEOは、U2とのアルバムの無料配信を、世界119カ国のiTunesアカウントホルダー5億人以上へ即座に届ける「音楽史上、過去最大のアルバムリリース」と宣言しています。

アルバムは無料ダウンロードと思われていますが、それはユーザー側にとっては無料でダウンロードが可能になったということで、その一方でアップルはU2側にアルバム配信のためのアドバンスの支払いと、テレビCMを含む1億ドル(100億円)規模の音楽マーケティングを実施することで合意したと伝えられています。

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「Songs of Innocence」の無料ダウンロードは、10月13日までiTunesで可能になっています。

アルバムは10月14日にデジタルとフィジカルで公式リリースされます。

アルバムダウンロードも自動設定されたソフトウェア・アップデートのように、一度に大規模で消費者に届くことができ、音楽企業(アップル)もこの変化に適応するようにオープンになりました。この規模のリリースはU2のようにグローバリゼーションが可能な一部に限られるでしょうが、今回の施策を単純に考えればアルバムリリースはテクノロジーによって確実に国のボーダーを超えて届けられることが証明されました。それが実現できたのは、テクノロジーによってスピード、ボリューム、アクセス性が飛躍的に拡張されたことによるものに間違いはなく、手間なく即座に音楽をリスナーに提供できるモデルのベースとしてテクノロジーを多用する時代が世界規模で本格的に到来する気がしています。

ソース
Apple: 33 Million People Have Listened to U2’s Free Album (9/12 Mashable)

image via Billboard


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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