カナダ出身のMC、ドレイクの最新アルバム「If You’re Reading This It’s Too Late」が2015年にリリースされたアルバムで初めてミリオン(売上100万ユニット)を突破しました。
今年の2月12日にリリースされた同作は、米国の売上総数が100万7000ユニットに到達。ドレイクにとっては4枚目のプラチナディスク達成となりました。
2015年で売上100万ユニットを達成したアルバムは「If You’re Reading This It’s Too Late」で2枚目です。1枚目は、目下売上でトップを走るテイラー・スウィフトの「1989」で、2015年だけで146万枚を売り上げ、2014年10月のリリースから累計512万枚に達しています。
ドレイクは「If You’re Reading This It’s Too Late」を事前のプロモーションも無しで突如iTuesストアで独占販売を開始、さらにSpotifyなど定額制音楽ストリーミングサービスで配信しました。そしてデジタルリリースから2カ月経った時期にCDを発売する販売戦略を実施しました。デラックス・エディションなどのCDをターゲットで販売し、音楽ストリーミングを否定し続けるテイラー・スウィフトとは全く異なる戦略ですね。
ヒットアルバムが出にくい米国市場
2014年、米国のアルバム売上では、テイラー・スウィフトの「1989」が366万枚で1位を獲得。2位には「アナと雪の女王」サウンドトラックが353万枚で入りました。3位はサム・スミスの「In the Lonely Hour」で121万枚。4位にはPentatonixの「That’s Christmas To Me」が114万枚で入りました。
しかしミリオンを超えたアルバムはこの4枚のみで、「アナ雪」サウンドトラックは前年の2013年にリリースされた作品でした。
また2014年に売上枚数50万枚を超えたアルバムは31枚。これは2013年の45枚を大きく下回る数字となりました。その一方で、2014年には300枚超えの作品2枚が生まれましたが、2013年の最大売上枚数はジャスティン・ティンバーレイクの「The 20/20 Experience」の243万枚が最高でした。
このトレンドから見えるのは、年々メガヒットとなるアルバムが減少していることで、アルバム売上枚数が低迷している原因の一つと言えるでしょう。音楽の聴かれ方がCDやダウンロード、さらに音楽ストリーミングと形式が多様化していることから、アルバムの聴き方も全曲を楽しむ場合もあれば、曲別に楽しむ場合もあり、今はまさに両方の視聴体験が混在している時代と言えます。
アメリカ全体を見渡せば、音楽産業ではアルバム売上は減少傾向にあります。2014年は前年の2億8940万枚から11%現象して2億5700万枚に留まりました。またアルバムのデジタルダウンロードも2年連続で減少、1億1760万ダウンロードから9%減少して1億650万ダウンロードまで下がりました。
ソース
Drake’s ‘If You’re Reading This’ Becomes First Million-Selling Album Released in 2015(Billboard.biz)