スウェーデン音楽協会「GLF」と国際的な音楽業界団体のスウェーデン本部「IFPI Sweden」が発表したスウェーデンの2013年上半期における音楽売上データによれば、前年同期から12%アップし4億9940万SEK(約7640万ドル、約75億7735万円)に成長していることが明らかになりました。

特に成長が著しいのが、音楽ストリーミングサービスの分野です。音楽ストリーミングサービスからの収益は39% (前年同期比)増加し、4100万ドルと急成長しました。

デジタル音楽サービスは、スウェーデンの音楽市場全体の収益の75%に拡大しています。またデジタル音楽市場全体の中で、音楽ストリーミングサービスは95%に成長し、市場全体の売上アップに大きく貢献する存在となっています。

一方で、CDなどフィジカルの売上は24%減少で1380万ドルとなり、市場全体のシェアは25%に低下する結果となりました。

そしてダウンロードもまた20%減少しています。

今月は隣国のノルウェーで、音楽市場が17%も成長したことが発表されました。ノルウェーもスウェーデン同様、Spotify(スポティファイ)など音楽ストリーミングサービスの定着化が進んだため、サブスクリプション型音楽サービスの効果がCDなどフィジカル音楽分野の売上減少を上回る結果となっています。

ノルウェーの音楽市場、音楽ストリーミングサービスの急成長で上半期は二桁の大幅成長

スウェーデンとノルウェーは二つの共通するトレンドを示しています。一つ目は、デジタル音楽が急成長する場合、その収益はフィジカルの売上低下を上回ることが可能だということ。これは米国や他国の音楽市場など、デジタルが成長している市場にも、近い将来起こることと考えられます。

二つ目は、サブスクリプション型音楽サービスが市場に浸透し、結果を出すまでは時間がかかるということ。スウェーデンとノルウェーではSpotifyが開始し4ー5年が経過した最近になって、ようやく一般への認知と成長を実現しています。しかし一般的には、音楽ストリーミングサービスは、音楽を「所有」することから、音楽に「アクセス」するアプローチへ、CDともダウンロードと違う全く新しいリスニング行動パターンを必要とします。その新しいアプローチに慣れるためには、啓蒙活動やメディアでの話題作りなど、長いプロセスが求められます。

二つ目のトレンドは、日本の音楽市場に言えると思います。世界的な音楽市場において、世界最先端のデジタル音楽サービスが波及していないのは、日本を始め数ヶ国くらいです。すでにデジタル音楽サービスが浸透し始めている欧米と同じ規模の市場を築くためには、ユーザーも有料会員もコンテンツプロバイダーがさらに必要になってきます。

また市場の売上が音楽ストリーミングサービスらによってアップしているということは、ファイル共有や違法ダウンロードが減り、音楽サービスに支払う有料ユーザーが増えているということです。

スウェーデンの人工は900万人強で、これは神奈川県ほどの規模です。もしそれだけの人の大半が、何かのデジタル音楽サービスを使い音楽を消費しているのが、今のスウェーデンです。小さなマーケットだからこそ音楽を普及させるために行なってきた施策があるはずですし、日本もその成功から学べるモノはあるのではないでしょうか?今後音楽ストリーミングサービスはどの規模まで拡大していくのでしょうか、これからも期待ができそうです。

ソース
Business Matters: Streaming Drives 12% Revenue Gain in Sweden(7/22 BIllboard)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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