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ヒップホップの歌詞にコメントや意味などアノテーションを追加して情報を共有できるスタートアップ「Rap Genius」が投資家から新たに4000万ドル(約40億円)の資金を調達し、サービス名をRap Geniusから「Genius」(ジーニアス)に変更したことを発表しました。

http://genius.com/

GeniusはDetroit Venture Partnersの投資家ダン・ギルバート、以前にも投資を受けた Andreessen Horowitzから企業価値10億ドルと評価を受けて、新規資金を調達しました。Geniusは新規資金でエンジニアやデザイナー、コミュニティ・リーダーなどの人材採用を活性化することを予定しています。

Geniusはまた新機能として、どんなサイトでもテキストに注釈を追加できる、エンベッド対応の新型アノテーションを開始しました。この機能によって、これまではGeniusサイト内に限られていたアノテーションの作成や閲覧が、ユーザーのサイトやメディアのサイトでも行うことが可能になり、歌詞やスピーチなどについての情報や知識をユーザー同士が共有できる範囲が大きく拡大します。

新しいアノテーションはこちらのBusiness Insider内で見れます。ハイライトされているテキストをクリックしてください。
The Inside Story Of How Rap Genius Fired A Cofounder — And Just Raised $40 Million (Annotated!)

Geniusは「ラップのウィキペディア」と呼ばれるほどヒップホップの歌詞でのアノテーションから始まり、スタートアップのインキュベーターY Combinatorの卒業生の中で最も成長速度の速いスタートアップと言われてきました。3人の創業者Mahbod Moghadam、Tom Lehman、Ilan Zechoryが立ち上げたサイトは、その後ロックやポップ、文学やスポーツのアノテーションなど多岐に渡る分野にまで事業を拡大しています。

Geniusは2012年にラップ好きな投資家ベン・ホロウィッツが参加する有名なVC、Andreessen Horowitzから1500万ドル(約15億円)の資金を受けたことで注目を集めました。

さらにGeniusはネガティブな行動でも注目を集めてきました。2013年のクリスマスには、検索順位を故意に改善するため関連性のない被リンクだけを取得する不正なSEOがガイドラインに違反したとして、グーグルからペナルティを受けました。その結果グーグルでRap Geniusを検索してもトップページには表示されず、数ページ埋没してしまうという重い処罰を受け入れることになりました。

また今年5月には創業者のMahbod MoghadamがRap Genius内で、カリフォルニア州サンタバーバラで銃乱射事件を引き起こした犯人の殺害予告に不適切なアノテーションを付けたことが指摘されクビになる事態に発展しました。

このようなネガティブな企業イメージでも、Geniusが新規資金調達に成功したことは、一般ユーザーだけでなく学生や研究機関などに対しても既存の情報に新たな価値を与えてくれる可能性が感じられます。技術的プラットフォームとして音楽や文学などの情報知識を共有することを強化していくことで、考え方や歴史への見方が変わるほどのコンテンツ消費体験をユーザーに与えてくれるかもしれません。それにしてもこの企業がローンチから間もないスタートアップだということは、驚きです。日本からも人の考えや意識を変えるほどのチカラを持ったスタートアップが1つでも多く生まれることに期待しています。

ソース
Rap Genius Raises $40M, Changes Name To Genius, Launches Embeddable Annotations (7/11 TechCrunch)

Genius


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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