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イギリスで63年の歴史ある伝統的な音楽雑誌「NME」が、9月から無料のフリーマガジンになると発表しました。1952創刊のNMEはピーク時の70年代後半には30万部の売上を上げていたが、近年はデジタルメディアに対抗ができず1万5000部まで落ちて低迷が続いていました。

To The Readers: Editor Mike Williams Introduces A New Era For NME And A New Free Weekly Magazine | NME.COM

今後NMEは駅や大学、小売店などで30万部が配布されると、オーナー企業のTime Inc. UKは発表しています。

フリーマガジン版NMEの第1号は9月18日売号から。NMEのフリーマガジンでは従来の音楽だけに絞ったコンテンツだけではなく、映画、ファッション、テレビ、政治、ゲーム、テクノロジーに関するニュースを取り上げます。今後も音楽がメディアのコアコンピタンスになりますが、戦略的にコンテンツの幅を拡げることによって、ライフスタイルメディア向けのコンテンツがどれだけ入ってくるのか、関心が高まります。

Time Inc. UKは「NMEは今後コンテンツの量と幅を大幅に増やし、紙面を含む全てのプラットフォームでオリジナルコンテンツやキュレーションされたコンテンツを展開します。その他の注目点としては、ライブイベント、動画、SNSでの取り組みを展開します。SXSWとのパートナーシップに代表されるように、今後はNMEをグローバル規模で展開していきます」と述べています。

New Musical Expressが前進のNMEは、かつて読者にジョン・レノン、マルコム・マクラーレン、マーク・ボランがおり、ボブ・ゲルドフはライターとして参加していた時期があります。

NMEはは現在でも影響力あるメディアブランドを持っており、アップルの定額制音楽ストリーミング「Apple Music」にもキュレーターとして参加しています。

NMEは有料の雑誌からフリーマガジンという方法で永続を決めましたが、近年はどんどん音楽雑誌が廃刊、またはウェブメディアに統合という結論に辿り着いています。

FILTER Magazine(米国、創刊2002年、終了2014年)
SPIN(米国、創刊1985年、終了2012年→ウェブメディアに)
XLR8R(米国、創刊1993年、終了2011年→ウェブメディアに)
Vibe(米国、創刊1993年、終了2014年→ウェブメディアに)
CMJ New Music Monthly(米国、創刊1978年、終了2010年)

オンラインをベースにした音楽メディアの中には、TumblrやMediumなどプラットフォームの中でも生まれ始め、従来のメディアとは全く違うフォーマットでの情報発信を進めているメディアも現れています。ロック中心の音楽メディアとして認知されてきたNMEが今後どの方向にかじを切るのか、次の戦略に関心が集まります。

ソース
NME to go free and expand from music into ‘brand reinvention’(The Independent)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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