今、世界的に人気急上昇中のアナログレコード。まだアナログで新譜を買ったり、コレクションしたり、最近集め始めたり、収集欲に心を動かされる人は多いのではないでしょうか。ノスタルジーを感じさせてくれて、デジタル世代の関心をも掻き立てる音楽メディアとして広がるアナログの楽しみ方に、さらなる可能性を感じさせる取り組みをAmazonが発表しました。
Amazonは、アナログレコードのリイシュー(再発)盤を独占的に販売を始めます。すでに米Amazonでは「Amazon.com Vinyl Exclusive」とついたアルバムがストアに並んでいます。AmazonではこれまでもCD、ダウンロード、DVDに加えて、アナログレコードを販売してきたため、アナログ販売を強化することは自然の流れと言えます。今回発売されるリイシューは当初Amazonのみでの販売となる予定です。
問題は、そのタイトル。Amazonが選んだのは、なぜか80年代の映画サウンドトラックだからです。「トップガン」「グーニーズ」「ロッキー4」「ダーティー・ダンシング」「フットルース」の5作品がアナログで復活します。
海外のメディアでは「(Discogsで)10ポンド以下で売られてるけど」、「フル稼働しているプレス工場の効率がさらに遅くなること間違いない」など言われています。そこは、Amazonですのでこのチョイスも顧客の購買データに基づいて導かれたはず。また「グーニーズ」「ロッキー4」は今年30周年のため話題性も高く、「トップガン」も続編が発表されるなど、往年の映画サントラ好きにとってもう一度昔の映画コンテンツに触れるキッカケになるかもしれません。数字を見ると、「トップガン」「ダーティー・ダンシング」サントラは米アルバムチャートでそれぞれ5週、18週に渡って1位を獲得してきた人気アルバムです。
Amazonは1999年以降に購入したCDやアナログレコードの音源を、デジタルファイル化してクラウドに保存するAutoRipサービスも行っています。さまざまなレベルの音楽好きがアルバムを購入して楽しめる選択肢を豊富に提供できるのはAmazon独自の強みでしょう。
全体ではシェアはわずかですが、アナログレコードは2008年から売上が745%増加したと言われています。このままアナログレコード市場が成長し続けば、Amazonもより多くの再発盤の独占発売、さらにはフィジカル音楽ストアを強化していくのでしょうか?Amazonのリイシュー発売は10月9日からです。
ソース
Amazon clogs up pressing plants with pointless reissue series(Fact Mag)
‘The Goonies’ 30th Anniversary Soundtrack Coming to Vinyl(Movieweb)
The astonishing comeback, and undeniable insignificance, of vinyl(Quartz)
image by Stefan Kl via Flickr