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スターバックスと、定額制音楽配信の「Spotify」は提携を強化して、スタバ店内の音楽をアプリ経由で利用できる、スタバ限定の音楽体験を提供開始します。

スタバ利用者はスターバックスのモバイルアプリを使って店内で流れている音楽が即座に検索できるようになります。さらに、Spotifyと連携させることで、スタバ店員がキュレーションした音楽をそのままSpotifyプレイリストとして保存したり、キャッシュとしてダウンロードしてオフライン視聴することが可能になります。

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具体的には、対象の店舗に入ってアプリを立ち上げれば、利用者はアプリ内で「Now Playing」(今流れている曲)や「Recently Played」(最近再生された曲)などを見ることができ、好きな曲が保存できる簡単な仕組みがアプリで提供されます。これによって、好きな音楽が流れた時に即座に曲名を調べて、お店の外に出た時でも曲を即座にSpotifyで再生でき、よりシームレスな音楽体験が実現します。この機能はSpotifyのフリーユーザーとプレミアムユーザー両方が利用できます。この機能はiOSとAndroidで提供されます。

これが便利な点なのは、人の声で認識できない音楽までを検索できる便利な点。ShazamやMusixmatchでは店舗に流れている音楽が聴き取れない時がありますしね。

この連携は昨年5月に発表されたSpotifyとスターバックスの音楽連携をアップデートした取り組みで、全米7500店舗以上で導入されます。Spotifyとスターバックスは、バリスタが店内の音楽をキュレーションできるスタバ専用のシステムを構築し、楽曲は音楽パートナーのSpotifyが提供しています。

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今回の取り組みを使うには、スターバックスのアプリを使うことが条件。これまではバリスタ限定だった連携が、ようやく一般の利用者にも開放されて、さらにモバイルに特化したシステムとして提供されるという、スタバとSposityを頻繁に利用する方には嬉しい知らせですね。

Spotify、スターバックスと音楽パートナーシップを結ぶ。7000店舗でSpotifyとバリスタが音楽をセレクト

これまでもスターバックスは音楽と絡めたプロモーションを長年行ってきた歴史があり、音楽との親和性も高くスターバックスのブランドで重要な位置を占めています。1994年には店舗内でオリジナルCDを販売する取り組みを始め、ジョンレノン、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズなどの音楽を取り扱ってきています。

スターバックスはまた、スターバックス・ブランドが作るSpotifyプレイリストや、過去20年でスタバで最も人気の曲をキュレーションしたプレイリストを公開します。こちらのプレイリストもSpotifyのフリーユーザーとプレミアムユーザー両方が利用できます。

さらにスターバックスアプリ内では1月から「Store Favorites」として、スタバの店員がキュレーションしたプレイリストを毎週公開していきます。

スターバックスはすでにSpotifyで公開しているプレイリストに500トラック以上、30時間以上分の音楽をキュレーションしています。しかもプレイリストは19個すでに作成されています。

SpotifyのCEOダニエル・エク(Daniel Ek)は、「スターバックスは私たちと同じ音楽に対する情熱と、パーソナライズドされた最高の体験をユーザーとお客様に提供するという強い思いを共有しています。スターバックスと共に、私たちはスターバックスのお客様とSpotifyのユーザーが店内でより多くの音楽と出会い、その音楽をいつでもどこでもSpotifyで楽しめるユニークで新しいデジタル音楽体験を作っていきます」と答えています。

Spotifyは定額制音楽配信の中でも、自動車やネットサービス、オーディオ機器メーカーとの提携はこれまで進んでいました。スターバックスとの提携は、それをさらに一歩進めた形で、Spotify初のリアル店舗との密接な連携になります。

Spotifyは7500万人以上のアクティブユーザー、2000万人以上の有料会員を抱える、定額制音楽配信のトップを走るサービス。一方スターバックスは、アプリの月間アクティブユーザーが1600万人を超えたと発表しています。2つの巨大なプラットフォームが連携することによって、お互いのアプリ利用者が増える可能性が高まるでしょう。

またスターバックスとSpotifyの連携は、音楽ストリーミングサービス市場全体にとっても、新しいビジネスモデルの可能性を拡大するという観点からもプラスに働きます。音楽業界の中だけのビジネスだけでなく、ブランドや企業がSpotifyを使って、サービスを向上させたり、利用者とエンゲージメントを高めていく、新たな価値が見えてきました。

今後の音楽ストリーミングは自宅や外出先だけでなく、リアルな店舗やイベント、さらにはそれぞれの地域別に音楽が楽しめる取り組みが増えていく流れが、Spotifyとスターバックスの連携は示しています。今年は本格的に日本上陸が期待されているSpotifyが日本でもどのような戦略で音楽体験を届けるのか、注目していきたいです。

ソース
Starbucks Now Lets You Save The Songs You Heard In-Store To Spotify(TechCrunch)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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