音楽ストリーミングサービス「Spotify」は、リミックスの再生のルールを変更することを発表しました。新ルールでは、Spotifyで再生されたリミックスで、原曲のアーティストだけでなく、リミキサーも再生回数が月間リスナー数にカウントされる大きな変更となります。

今後の新ルールは、リミックスを積極的にリリースするプロデューサーやアーティストにとって嬉しい報せです。またリミキサーはSpotifyの楽曲データ解析ツール「Spotify for Artists」で、リミックスが何回視聴されたか、どこで視聴させたかなど、楽曲単位で詳細なデータを把握できるようになります。リミックスを通じてリスナーのエンゲージメント指標をより分析しやすくできることは、リミックスを手掛けるアーティストやプロデューサーにとっては大きな進化です。さらに、Spotifyのアーティストプロフィールとしてリミックスを表示させることも可能になります。

Spotifyは新ルールを「Spotify for Artists」のブログで発表しています。
Get In The Mix (Spotify for Artists)

リミキサーにも優しいプラットフォーム

現在までSpotifyでは、リミキサーの再生回数にリミックスの楽曲再生が影響することはありませんでした。

Spotifyは2015年以降にリリースされたリミックスの再生回数を、クレジットされるアーティストに反映させるアップデートを行います。今後は全てのリミックスがこのルールの対象に適応される予定です

リミキサー向けのルール改編と、リミックス・カルチャーについて、Spotifyはプロデューサーで数々のリミックスで知られるMasters at WorkのLittle Louie Vegaへのインタビューを行っています。

2016年にグラミー賞がフリーのミックステープをノミネーションの対象に入れるという大きな変更を行い、チャンス・ザ・ラッパーの『Coloriing Book』がストリーミングのみで配信された作品としては史上初となるグラミー賞最優秀ラップアルバムを受賞するなど、音楽業界の中で既存の価値基準を時代に合わせて変えていこうとする動きが年々強まっています。

1月29日(月)に行われる第60回グラミー賞で最優秀リミックス・レコーディング賞にノミネートされているLittle Louie Vegaのように、アナログレコード時代からCD、iTunesを経てSpotifyなど音楽ストリーミングサービスで配信する時代までリミキサーとしてキャリアを積むことができれば、アーティストとしても音楽カルチャーにとって、リミックスの存在はますます大きな価値をもたらしてくれるはずでしょう。さらに云えば、ストリーミングサービス発のリミキサーやリミックス作品がこれからの時代の音楽には必要です。

特にリミキサーへの価値が高まれば、国に関係なくアーティスト同士がコラボレーションする機会は格段に増え、良質なリミキサーや革新的なリミキサーへのニーズは国境を超えて高まっていくはずです。そうすることでこれまで知られていなかったアーティストの発掘やアンダーグラウンドで活動するアーティストにも注目が集まる機会が拡大できるようなプラットフォームが今後アーティストからもリスナーからも支持されていくと感じます。

ソース
Get In The Mix (Spotify for Artists)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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