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人気バンドによるオンラインプロモーションでの残念な事例をご紹介します。
米国のロックバンド、ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)は、毎年8月に開催するアメリカ最大規模のロックフェス『Lollapalooza (ロラパルーザ)』のアフターショーでバンドが演奏することを発表、それを記念してテキーラブランドの『Dobel Tequila』とタイアップし、最新アルバム「The Great Escape Artist」を数量限定で無料ダウンロード配信するという、ファンには嬉しい試みを始めた。サイトはこちら
ところが、アルバムをサイトからフリーでダウンロードするためには、いくつか面倒なハードルを乗り越えなければなりませんでした。まずファンは名前、メールアドレスなどをフォームに記入する必要があった。さらに、DLをするためには、Javaの最新バージョンをインストールしてくださいというポップアップ画面を相手にしなければならない。
ここでやっとアルバムのフリーダウンロードまでたどり着いた。と思った矢先に、最大の悲劇が待っていた。なんとファンは21歳以上でなければ、アルバムをダウンロードすることができなかった。
米国では21歳以下がアルコールを買ったり飲むことは法律で禁じられています。またアルコールが飲めるライブ会場には21歳以下が入ることも禁じられています。さらに海外ではアルコールのサイトにアクセスするにも年齢の確認が求められます。お分かりのようにアルコールを絡めると色々制限が発生してしまいます。これらがネットの無料ダウンロードにも適応するということは、おそらくバンドも考えていなかったのではないでしょうか。(注:Dubel Tequilaはロラパルーザとスポンサー契約)
image via blabbermouth
フリーでコンテンツを提供する場合の目的は、より多くのファンに作品を知ってもらい、クリエーターを知ってもらうキッカケを作ること。
特にテクノロジーから音楽を知り、音楽をソーシャルメディアで共有する10-20代ユーザーに対して、関心が生まれる、エンゲージメントが生まれるなどの間接的メリットが期待できます。逆に、無料ダウンロードに制限が発生すると、一般ファンのアクセスを妨げるだけでなく、潜在層とつながるキッカケを失うことが考えられ、関心を失う、ネガティブな口コミが広がるなど逆効果にもなりかねないでしょう。
多くのファン、潜在層や10代の音楽ファンに魅力的なコンテンツを無料ダウンロードしてもらいコンテンツを聴いてもらう機会を失ったことは、無料配信キャンペーンとしてはどうなのかと思いましたが、みなさんはどう思いますか?
ブランドと音楽の連携は、消費者とブランドまたはコンテンツとのタッチポイントが増えるので親和性が高く、今後も広がる大きな可能性を感じます。何を目的にデジタルでキャンペーンを行うのか、誰にどんな体験をしてほしいのかを、考慮したクリエイティブなアイデアが音楽を盛り上げていってくれると信じています。
僕が最も残念だったのは(上記のキャンペーンサイトをクリックされた方はお分かりだと思います)、上のメッセージ「this page is not available in your country」でした。サイトには「fans everywhere」と書かれていたにもかかわらず。 ネットの世界なので、国によってDL制限がかかるのには、大きな疑問を感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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