音楽情報検索アプリ「Shazam」、世界最大のDJ向けオンラインストアBeatportと提携、ダンストラックのタグ付けが可能に

スマートフォン向け音楽情報検索アプリで世界最大の「Shazam」が新しいCEOを迎えました。新CEOには、元Yahoo! Americasの取締役副社長だったリッチ・ライリー(Rich Riley)が就任し、前CEOのアンドリュー・フィッシャー(Andrew Fisher)は取締役会長に就任します。


世界200ヶ国で、3億人以上のユーザーを抱えるShazamは、経営陣を強化しさらなる成長とIPO(新規株式公開)を視野に入れた人事であることを明らかにしました。Shazamは先日元BBCでオンデマンドを担当していたダニエル・ダンカー(Daniel Danker)をチーフ・プロダクト・オフィサーに迎えたばかりです。

iOSとAndroid で最も人気のあるアプリの一つとなっているShazamは、月間アクティブユーザー数は6000万人以上、データベースに保有するカタログ数は2700万曲以上に上ります。またShazamはiTunesとAmazonのアフィリエイトパートナーとして毎年3億ドル以上の売上をデジタルコンテンツ販売から挙げています。

Shazamは2011年からテレビ向けサービス「Shazam for TV」を米国や英国などで展開し、放送番組と連携してShazamアプリ経由で特別コンテンツや番組情報、グッズ販売、過去番組の購入またはレンタルへのリンクを提供しています。テレビ番組を見ながらスマホアプリで情報を取得するセカンドスクリーン体験は、新しい情報を見つけやすくするだけでなく、ビューワーのソーシャルなエンゲージメントを容易に実現してくれます。

これは海外でオンエアされたペプシのShazam連動型TVCM。画面左下にShazamのアイコンが光っているのがお分かりになると思います。

このCMを見ている間にShazamを使うと、なにかしろのボーナス・コンテンツが手に入る仕組みになっています。テレビ局は視聴者を1秒でも長く視聴させることができる、ブランドは消費者に情報を届けることができる、Shazamユーザーは特別コンテンツがテレビを見ているだけで取得できます。TwitterやFacebookでは提供しきれない有益な情報を、最も日常的なメディアの一つのテレビを通じて提供してくれます。アジアでの事業も開始したShazamは音楽検索アプリは勿論テレビ事業を今後重視することが予想されます。

この1-2年で「ソーシャルTV」や「スマートTV」といった用語を見かけるようになりましたが、Shazamがテレビで進めている「セカンドスクリーン」体験は、ソーシャル性とインタラクティブ性を兼ね備えたテレビ体験で、単なる視聴の粋から大きく価値を高めてくれます。今やメディア・エンゲージメント企業となったShazamは今後も大きく成長する可能性が高い企業の一つです。そして近い将来にあっと驚くような仕掛けを日本でも展開してくれるでしょう。

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ソース
Former Yahoo Exec Rich Riley Is New Shazam CEO: “For Next Stage of Growth and IPO”(4/29 All Things D)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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