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音楽ビジネスの大型買収の噂。

アップルが、人気ヘッドフォンブランド「Beats by Dr. Dre」や、アメリカで今年始まったばかりの月額定額制音楽ストリーミングサービス「Beats Musicを運営するオーディオメーカーBeats Electronicsを買収するプロセスに入ったとフィナンシャル・タイムズが報じています。

買収金額は32億ドル(約3247億円)。買収にはヘッドフォン含むオーディオ機器ビジネスと、定額制音楽配信ビジネスが含まれます。交渉の内容に詳しい情報ソースによれば、買収は早ければ来週にも発表される模様だそうです。もし買収成立すれば、アップル史上最大の買収案件になります(過去最大は1996年のNeXT買収の4億400万ドル)。

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Beats Electronicsはヒップホッププロデューサーのドクター・ドレーと、音楽プロデューサーでメジャーレーベルInterscope Geffen A&Mの会長、ジミー・アイオヴィンが2006年に立ち上げ、300ドル(3万円)以上の高級ヘッドフォンのほかに、イヤホン、スピーカーなどオーディオ機器を手がけています。ヘッドフォンはミュージシャンやDJ、スポーツ選手などを巧みに使ったマーケティング戦略で若者の間での人気を集め、ヘッドフォン市場の約30%を占める業界トップのオーディオメーカーです。

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左からBeats Electronics社長ルーク・ウッド、ジミー・アイオヴィン、ドクター・ドレー。

Beats Electronicsは以前スマホメーカーHTCから資金提供を受けていましたが、2013年に株式を買い戻し独立運営を維持してきました。株式買い戻しも交渉に備えた動きだったのかもしれません。

若者から大きな支持を集めるヘッドフォンで実績のあるBeats Electronicsを買収することで、アップルの音楽戦略が大きく変わる可能性が出てきました。もしかしたら6月に開催するアップルのイベントWWDCでも、音楽に関する発表が期待できそうです。

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ソース
Apple closes in on $3.2bn deal for Beats(5/8 Financial Times)
Apple reportedly considering buying Beats for $3.2 billion(5/8 The Verge)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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