定額制音楽配信で世界最大の「Spotify」が組織を強化して日本ローンチを進めていると、TechCrunchが報じています。
TechCrunchが注目したのは、Spotifyの求人サイト。日本事業向けに初めて財務担当者を募集を始めたことに触れています。ただしSpotifyのスポークスパーソンはTechCrunchに対して「私達はアジア全域にいずれ進出したいと考えています。日本にもすでにチームを配置しています。ですが、日本市場でのローンチ日程は未定です」と改めて答えています。
Spotifyはアジア圏内ではすでに2013年からシンガポールや台湾、香港、マレーシア、フィリピンに進出してきました。
TechCrunchでは、日本に加えてSpotifyがインドネシア進出も視野に入れているとして、求人サイトに掲載された「音楽編集者」の募集をその理由に挙げています。Spotifyのスポークスパーソンによれば、同職ではSpotifyがユーザー個別にムードや時間に適したプレイリストをオススメする「Browse」機能をアジア向けにローカライズする役割の他に、音楽キュレーションやコンテンツ制作の役割を担うとのことです。
インドネシアは東南アジアにおける一大スマホ市場として成長を続けています。一人あたりが平均でデジタルに費やす金額は日本や米国、ヨーロッパに比べると低いですが、モバイル端末の普及率が高いインドネシアは、モバイルをビジネスのコアと考えるSpotifyにとっても重要な市場となるはずです。インドネシアではすでにDeezer、Rdio、オーストラリアのGuvera、そしてアップルのApple Musicが定額制音楽配信を展開しています。
Spotifyは世界58カ国に広がり、アクティブユーザー数7500万人、有料会員数2000万人を獲得している、世界最大の定額制音楽配信サービスです。ヨーロッパで始まったSpotifyは、その後米国にも進出し、徐々に定額制音楽配信の波を世界で広げてきました。そして、これまでも日本を始め世界各国でのSpotifyローンチを目指し、レーベルとの交渉を続けている状況が続いています。
定額制音楽配信は、ビジネスが低迷し続けるCDやダウンロードを尻目に、毎年成長し続けている領域で、アーティストやレーベル、権利関係者にとって新たな収入源をもたらすビジネスモデルを展開しています。またスマホの普及に伴い、これまではPCなどデスクトップ環境に左右されてきたデジタル音楽視聴も、iPhoneやAndroidでいつでもどこでも実現できるようになり、好きなアーティストの曲やこれまでに聴いた曲、新曲や新人アーティストに出会えるツールとして、世界では着実にユーザーを拡大させています。
ビッグデータ、キュレーション、プレイリスト、モバイルなどSpotifyの独特の哲学と技術、デザインで世界から支持を集めてきました。日本の音楽市場を変える可能性があるSpotifyの早期の日本上陸に期待しています。
ソース
Spotify Moves Closer To Launches In Indonesia And Japan(TechCrunch)