前作を超える勢いで好調なアデルの新アルバム「25」。CDとデジタルダウンロードで音楽史を塗り替える売上記録を打ち立てている「25」は、音楽業界がこれまで苦戦してきた違法ダウンロードとの戦いにも勝利するほど、健全なファンの行動に注目が集まりました。
世界最大の歌詞の検索サービス「Musixmatch」が公開したレポートによれば、グーグルでアルバムリリース日の11月20日に「adele 25 lyrics」のグーグルでの検索数が、違法にコンテンツをダウンロードするためのtorrentを検索する「adele 25 torrent」や、YouTubeに違法でアップされたフル・アルバムを検索する「adele 25 youtube」の検索数を2倍以上上回ったと報告しています。
アデルの「25」はSpotifyやApple Musicなど定額制音楽ストリーミングサービスでリリース日には配信しなくなったことからも、ネットでは新作をiTunesなどデジタルダウンロード以外から入手する方法を検索する人が20日にピークを迎えました。それでも、同日には歌詞を検索する人が多く、このことからもアデルの共感しやすく時には胸が張り裂けそうになる収録曲の歌詞に注目が集まっていることが分かります。
Musixmatchでは検索結果を画像入りで紹介し、リリース日から徐々にピークを迎えた新アルバムに関する歌詞の検索について詳細なレポートを掲載しています。
また先行シングル「Hello」がYouTubeで公開された日の歌詞検索数も大きく跳ね上がり、torrent検索、YouTube検索を超える数だったことが分かっています。
Musixmatchアプリやウェブサイトにはアデルの新アルバムに関する歌詞を調べたいユーザーが多数アクセスし、11月19日から22日だけで、Musixmatchユーザーがアデルの歌詞を見るために費やした時間は182日分の4364時間に上りました。
世界で話題となるヒットアルバムがリリースされた日には、これまで多くの作品が正規に購入されずに違法にダウンロードされてしまう問題にエンターテインメント業界は長年悩まされてきました。近年、音楽業界では違法ダウンロードでの被害を抑えるため、世界でアルバムリリース日を毎週金曜日に統一して、一斉に発売するシステムに変更し、アメリカやイギリスなど大手音楽市場がこのリリース日に変更となりました。
またアーティスト単位でも、ビヨンセやドレイクといったアーティストたちは、事前にリリース日を告知せず、iTunesやApple Musicを使って突然配信する販売戦略を実施するなど、違法にダウンロードされない施策を講じてきました。
アデルのアルバムは今年最大のヒットアルバムであり、前作を上回る売上でり市場を活性化する期待が業界全体で高まっています。
アデルのアルバムは今年最大のヒットアルバムであり、前作を上回る売上でり市場を活性化する期待が業界全体で高まっています。違法ダウンロードや海賊行為の撲滅を目指す音楽業界にとって、多くのユーザーがアデルの「25」を違法で入手することよりも、アルバムの歌詞に共感し興味を持ってくれた事実は奇跡的な発見と言えるのではないでしょうか。音楽ストリーミングの普及で海賊行為や違法ダウンロードが世界中から減少している現代、テクノロジーではなく、歌声と歌詞で人を魅了できる作品いう理想的なコンテンツ力がまだ音楽に残っていたことをアデルが証明してくれました。
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ソース
People Search Adele Lyrics Not Torrents(refinery29)
Adele’s new album: It’s all about the lyrics(Musixmatch)