ユニバーサルミュージック・グループ (UMG)は、新型コロナウイルスの感染拡大で被害を受ける音楽業界に向けた具体的な支援策を、公式サイトで公開しました。海外では、感染拡大危機に直面している業界を、民間企業が支援する活動が広がっています。メジャーレコード会社で具体策を公に発表したのはユニバーサルミュージックが初めてです。

Universal Music Group COVID-19 initiatives

メッセージではユニバーサルミュージックは、従業員契約アーティストや作曲家音楽コミュニティ3つの領域で経済的な損失音楽活動に打撃を受けている人に対する支援の内容を明記しました。

特にUMGでは、レーベルや音楽出版などグループ会社を含めてグループとして、契約するアーティストと作曲家、インディーレーベルを支援することを表明しています。支援の内容では、アドバンスの前払いなど、収入が激減したアーティストたちの経済的補償に対して、レコード会社も既存の仕組みを変えて支援に回る準備を進めています。

UMGも、グラミー賞を運営するザ・レコーディング・アカデミー主催の慈善団体MusicCaresが、新型コロナ被害のための音楽コミュニティ向け救済基金「COVID-19リリーフファンド」にも参加していきます。

MusiCares COVID-19 Relief Fund

このリリーフファンドには、Amazon Music、Pandora/SiriusXM、YouTube Music、TIDAL、ワーナーミュージック、Spotifyなど、多数の音楽企業が寄付を行いました。

そして、ユニバーサルミュージックと契約するアーティストはすでにSNSや動画、ストリーミング、グッズ販売など様々なツールや企業連携を駆使して、支援活動を行っています。

ビリー・アイリッシュは、公式サイトで塗り絵ができるイラストブックを公式サイトで販売。全売上をユニセフに寄付できます。グッズの価格はファンが決めることができます。購入価格がそのまま寄付される仕組みです。

セレナ・ゴメスBravado (UMGグループ内の音楽ファッション専門の会社)は、「Dance Again」公式グッズを販売した売上の一部をMusiCaresへ寄付します。

OneRepublicと、インタースコープ・レコードは、シングル「Better Days」のストリーミング収入の一部を9月までMusicCaresに寄付すると発表しました。

またOneRepublicも公式グッズの売上全額を、バンドの基金「The Good Life Foundation」を通じて、リリーフファンドに寄付することを表明しました。

 

日本では、イベント開催や、ライブの中止、ツアーやフェスの延期が続く状況で、アーティストや作曲家、プロデューサー、音楽業界で働く人達の大幅な収入減少が発生しており、国からの補填や経済支援の遅さが、他国に比べて問題となっています。

今後さらに危惧されるのは、まず最初に音楽活動の持続が難しい状況に追い込まれる、インディペンデントアーティストや、フリーランスで活動する作曲家や作詞家、プロデューサー、エンジニアや技術、メディア、イベントに関連した専門家、中小の音楽企業など、不安定な立場にある個人レベルからの支援活動です。

音楽コミュニティに対する支援を様々なレイヤーの人に向けるというUMGの具体策は、日本国内の日本のレコード会社や事務所、ライブプロモーション企業大手も、コロナ被害に対する日本音楽シーンの救済活動の方向性としてヒントになるはずです。

苦しい時期のアーティストたちの不安を払拭し、音楽活動を支えるため、アドバンスの前払いや、ツールの無償提供、ライセンスからのマネタイズ、募金の仕組みの導入など、積極的な施策を実施することに期待したいところです。

以下はUMGが公式サイトで掲載しているメッセージの抄訳です。本文はこちらをご覧ください。

ユニバーサルミュージック・グループの新型コロナウイルスへの対策

COVID-19感染症による被害に対して、私たちは世界規模で、様々な支援を行います。

UMG社員の支援

従業員の給与と、追加の福利厚生を保証するプログラムを実施しました。また「UMG All Together Now Foundation」を設立し、早急に援助が必要な社員を支援します。

アーティスト、作曲家の支援

私達ユニバーサルミュージック・グループは、レーベル、ユニバーサルミュージック・ミュージック・パブリッシング・グループ、ユニバーサルミュージック・エンタープライズ、Bravado、インディペンデントなディストリビューションサービスと共同で、COVID-19被害拡大で影響を受けた、対象のアーティスト、作曲家、インディーレーベルを支援します。支援の形は、ロイヤリティ料の無利子での前払いや、経費の免除など、多数用意します。

また契約するアーティストには、ツアーやライブが中止になっても、ファンと繋がり、収入を生み出すツールとプラットフォームを提供します。

音楽コミュニティの支援

私達は、社内で運営してきたチャリティ活動を拡張して、救済基金「All Together Now: Stay Connected」を新たに始めました。そして、新型コロナウイルスで深刻な経済被害を受けた音楽コミュニティの人々を2通りの救済法で支援します。

1.MusicCaresの「COVID-19リリーフファンド」や、イギリスの「Help Musicians UK」など、音楽支援団体への寄付を通じて、UMGが直接的に支援します。

2.UMG社員が集めた寄付と同額をUMGも追加して支援基金に寄付します。

音楽の力で人の心を癒やしてくれるアーティストと作曲家の支持

UMGのアーティストと作曲家は、彼らの時間と労力、リソースを提供して、コロナウイルス感染拡大で被害を受けたあらゆる人を支援する活動を行っています。寄付を行ったり、様々な団体を支援したり、活動は多岐に渡ります。ライブパフォーマンスを行ったり、新曲を配信したり、啓蒙活動を行い、援助が必要な人たちを支援しているアーティストと作曲家たちの取り組みを、UMGは支持します。UMGアーティストが行っている、支援はこちらからご覧ください。

https://www.universalmusic.com/artist-initiative/

ユニバーサルミュージック・グループは、世界各地でCOVID-19感染被害を受けた人々を支援する、以下の音楽コミュニティの取り組みに参加できることを誇りに思います。
Help Musicians UK
MusiCares COVID-19リリーフファンド

Music Covid リリーフ
ユニセフ募金
世界保健機関(WHO)

source:
UNIVERSAL MUSIC GROUP’S RESPONSE TO COVID-19 (Universal Music Group)
Universal Music Group Unveils Coronavirus Relief Plan for Artists (Rolling Stone)
How Universal Music Group is responding to the COVID-19 pandemic (Music Business Worldwide)

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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