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今月初めに英国の創業60年を迎えた老舗音楽雑誌「NME」(ニュー・ミュージック・エクスプレス)が、欧米で人気の定額制聴き放題音楽ストリーミングサービス「Spotify」に音楽アプリを提供開始しました。

Spotifyとは、スウェーデンで2008年に始まった、無料から聴き放題ができるクラウド型音楽ストリーミングサービスです。Spotifyは、ユーザーに無料プラン(広告、再生時間制限付き)と2種類の有料プラン「アンリミテッド・プラン」(月額5ドル、PCアクセス)と「プレミアム・プラン」(月額10ドル、PC・モバイルアクセス)を提供、PCやモバイル、アプリ経由からメジャーレコード会社、インディーズ系を含む1800万曲以上の音楽を聴き放題で楽しむことができる画期的なクラウド型音楽サービスです。

現在世界15カ国で展開しており、現在アクティブユーザー数2500万人強(参照:App Data)を獲得、有料会員数が300万人に到達するほど急速に人気を集めています

Spotifyは今現在、開発者やブランドが独自の音楽アプリを作成できる「Spotifyプラットフォーム戦略」と「Spotify音楽アプリ戦略」を推進しています。提携メディアやブログ内でクリックするだけで再生できる「Spotify Playボタン」や、Spotifyデスクトップ内で、新しい音楽が探せたり、友人やコミュニティと一緒に音楽を聴いてチャットできるSpotify音楽アプリを提供し、音楽体験からの楽しみ方を訴求する、全く新しいタイプの音楽SNSです。

今回NMEはSpotifyと提携し、Spotify音楽アプリを発表、『NME Spotifyアプリ』からNMEがチョイスする楽曲をレコメンデーションします。

NMEのSpotify音楽アプリでは、音楽メディアのブランド力を生かしたコンテンツをSpotify内で楽しめ、新しい音楽との出会いを促進します。
– インタビュー
– 新人バンド紹介
– 最新アルバム/トラック紹介
– NMEがキュレートするプレイリスト「NME Playlists」

NME.comの編集長のルーク・ルイス(Luke Lewis)は、「(Spotify音楽アプリは)新しい音楽と出会う最高の方法です」と述べ、またNMEの発行人であるトレイシー・チーズマン(Tracy Cheesman)は、「NMEは、Spotify音楽アプリはNMEが目指す魅力的で使いやすいサービスを具現化し、(音楽アプリが利用される)Spotifyはコンテンツをシェアする理想的な場所です」と述べています。

SpotifyのUKビジネス開発担当のオーエン・スミス(Owen Smith)は、「Spotify音楽アプリは、革新的で楽しい方法でSpotifyが備える膨大なカタログをキュレーションする音楽体験です。影響力の強いNMEのSpotify音楽アプリは、世界中の音楽ファンが新しい音楽と出会い、友人と音楽を共有する楽しみを生み出します」と期待して説明します。

例えば、NMEが頻繁に発表する「100 Best Tracks of ○○○』といったリストのセクションがあります。Spotify音楽アプリを使うことで、SpotifyユーザーはリストをSpotifyプレイリストとして楽しむことができる、オンライン読者はサイトで見て興味を持ったら(アカウントがあれば)Spotifyに飛んでプレイリストから聴くなど、Spotify音楽アプリ⇔オンライン⇔紙面が連動したコンテンツから音楽体験が楽しむことが可能になるのが、NMEのSpotify音楽アプリの強みです。ここから音楽メディアとSpotifyの関係について考えてみました。

Spotifyには即座に音楽へアクセスでき音楽が共有できるという利便性があります。またオンラインメディアのページには、コンテンツやYouTubeの動画,各アーティストの記事へのリンクなどが張り付けてあり、それぞれ違ったインタラクティブな楽しみ方ができる。雑誌は読者をキープしたい、継続的に訪問してほしいと考える。そう考えた場合、Spotify音楽アプリを通じてブランド力を高めることで、Spotify音楽アプリの利用が増え、オンラインメディアへの関心が高まり、アクセスが増える可能性が高まります。

迷ったリスナーをガイドしてあげる役割を音楽メディアはオンラインとSpotify音楽アプリで果たすことで、音楽メディアが本来持っていた専門性とインフルエンサーとしての価値を蘇生させのではないでしょうか。はたまた、自社サイトをSpotifyフレンドリーに作り替えることで、読者とのインタラクションが高まるかもしれません。が、これは今後出てくると予想される結果を待つ必要があります。このような動きが起きることで、デジタル時代にも音楽メディアが甦り、派生してくれることが、今後の音楽体験の拡がりを支えてくれると感じています。

音楽雑誌が持つ知識とブランド力は、ストリーミング主体のユーザーが増える時代にも鍵になっていく可能性は十分にあります。音楽メディア、ブログ、キュレーターの方達には頑張ってほしいと期待を込めて。

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ソース
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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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