もう覚えている人の方が少ないかもしれませんが…

ユーザーがリアルタイムで音楽をDJしながら、チャットができる、ソーシャル音楽サイト「Turntable.fm」がサービスを閉鎖することを、自社ブログで発表しました。

Turntable.fmは12月2日にサービスを完全にクローズし、今後は先日新たに開始した、リアルタイム音楽ライブサービス「Turntable Live」に注力します。

Turntable.fm がライブ配信サービスを開始。日本からのアクセス遮断から早2年、(ほぼ)社運をかけたピボットに挑む

SXSWやオンラインメディアなどを中心にサービス開始時には大きな注目を集めたTurntable.fmですが、開始から2年に渡りユーザー獲得とマネタイゼーションに苦戦してきました。ユーザーインターフェースの改良やモバイル・アプリの提供、アバターの新デザイン、さらには定額制「GOLD」サービスなど、ユーザーの音楽体験を向上するための取り組みを数多く行ってきました。2年間でTurntable.fmには100万ほどのバーチャルリスニング部屋が立ち上がり、再生された楽曲は4億曲以上に上りました。

ユーザーが作成したプレイリストは、Spotifyか、CSVファイルを使ってエクスポート出来ます。

Turntable.fmはサービス最後の日12月2日に、最後のパーティを実施予定です。

どの音楽サービスでも、楽曲のライセンス料を含む大きな運営コストが発生することが事業の悩みの種です。Turntable.fmには有名ベンチャーキャピタルや、カニエ・ウェスト、レディー・ガガの前マネージャーのトロイ・カーターなどが投資家として参加していました。

誰でも好きな曲がDJでき、友人知人とリアルタイムで一緒に音楽を聴きながらチャットができるという新しい音楽の楽しみ方を提案してきたTurntable.fmですが、音楽ストリーミングやパーソナライズド・ラジオなど音楽サービスが数多く現れる中、音楽スタートアップが生き残る難しさをTurntable.fmの閉鎖は象徴しています。

Turntable.fm Shutting Down So Company Can Focus On Turntable Live Events Platform(11/22 TechCrunch)

TURNTABLE LIVE & TURNTABLE.FM(11/22 Turntable.fm Blog)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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