覚えている人、いるでしょうか。。。
アバターに扮したリスナーがバーチャルリスニング・ルームでDJがプレイする曲を一緒に聴きながらチャットするソーシャル・ミュージックサービスの「Turntable.fm」がライブストリーミングに進出しました。
元々は日本からもアクセスが出来たので、IT系やブロガー界隈の人の間で盛り上がっていたTurntable.fmですが、ライセンス許諾の問題で2011年6月(すでに2年以上前の話!)にアメリカ国外からのアクセスを遮断しました。
その後日本では全く聞かなくなったTurntable.fmですが、どうしたかというと、モバイル音楽アプリ「Piki.fm」を立ち上げるも閉鎖に追い込まれたり、創業者の1人のSeth Goldstein(セス・ゴールドスタイン)はEDMに特化したコミュニティサイト「DJZ」を始めたり、今年の7月には有料定額制の「Turntable Gold」プランを始めたりと、存続とマネタイズに四苦八苦してきました。2011年は投資家からも注目を集めていたのですけどね。
そして今回新たに始めたのが、ライブのストリーミング配信「Turntable Live」です。
ライブを視聴するには、有料のチケットを購入する必要です。チケット購入者はアーティストとコミュニケーションが楽しめたり、PCのマイクやウェブカムを使ってサイト上でインタラクションすることができます。
アーティストはTurntable.fmのスタジオでライブ演奏を配信します。またアーティストはチケットの価格を自らが設定して販売できるようです(Turntable.fmが定める最低価格5ドル以上であれば設定は自由)。アーティストとTurntable.fmはチケットからの収入を70/30%で分配します。
と簡単にサービスをまとめてみましたが、なんだかTurntable.fmが第2のMySpaceのようになんだか思えてきました。ライブの分野での成功はどうなのでしょうか?
PCでライブが見れるサービスは、ここ最近で色々出てきているからそんなに新しいことじゃないので、驚きは少ないです。ライブストリーミングはYouTubeやGoogle+ Hangoutsでも実現可能ですし、日本だったらニコ生もあります。もしかしたら後発サービスの方がすでに優れているかもしれません。
Turntable.fmが出てきた時は、ソーシャルメディアと音楽の新しい可能性が広がったと思ったのですが、こうも何度ピボットが必要になるとは2年前には想像も付きませんでした。もちろん友人同士で音楽を一緒に聴く体験に着目したことは素晴らしいと思います。ですがその後は全くと言っていいほど音楽シーンに痕跡を残せていません。インパクトが強かったサービスだけあって、こんな風に縮小していくのは実に悲しい。Turntable.fmを深堀りしていくと、音楽サービスの難しさを伝えてくれる事例になるかもしれません。あとどれくらいTurntable.fmは生き残れるのでしょうか。。。
ソース
Resisting The Deadpool, Turntable.fm Focuses On Live(9/30 TechCrunch)