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Twitter社はドイツの音楽共有サービスSoundCloudの買収を検討していると、Re/codeがレポートしています。

SoundCloudはDJやプロデューサー、バンドからジャーナリストや学校まで誰もが音楽やオーディオをネット上に投稿し共有することができることから、「オーディオのYouTube」と言われています。この無料のサービスは、2013年10月の段階で世界でユーザー数が2億5000万人を突破しています。

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Re/codeによれば、もしこの買収が進めば、Twitter社にとって最も高い買収になるはずです。SoundCloudは今年始め新たに6000万ドル(約60億円)の資金を新規調達し、企業価値を7億ドル(約700億ドル)に高めています。

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買収交渉はTwitter社にとって音楽ビジネスへの2度目の挑戦になります。2013年、Twitter社はスタンドアローンな無料の音楽アプリ「Twitter #music」アプリをローンチしました。しかしサービスは成功することなく、12カ月を持たずにクローズしてしまいました。

SoundCloudの買収はTwitterにとってコアサービスのリーチを拡大するためのユーザーを獲得できます。Twitter社がIPO以来発表してきたユーザー獲得数は、Facebookの億単位のユーザー規模に大きく引き離されるのではと懸念する投資家達を満足させるものではありませんでした。

またSoundCloudにとって買収はTwitter社の広告サービスを活用して、広告ビジネスを本格展開しマネタイズできる機会にもつながります。SoundCloudは音楽共有に加え、解析ツールなどが利用できる有料アカウントを提供しています。また昨年には「ネイティブアド」を導入し、課金と広告で収益拡大を図ってきました。しかしこれまで大規模な広告ビジネスを事業として展開していません。

Twitter社による買収でSoundCloudはまた、SoundCloudと大手レコード会社との楽曲のライセンス契約交渉を前進させると思われます。現在SoundCloudはレコード会社とライセンス契約を結ばずに楽曲の投稿を行っています。そのため初期のYouTubeと同様に、権利者の同意なしにアップされている楽曲もあり、著作権侵害で問題が起こる場合も考えられます。一方でSoundCloudにはアーティストやレーベル自らが楽曲を投稿し、SoundCloudユーザーとのエンゲージメントを高めています。

2社はすでにビジネス面で接点があります。
Twitter社の初期の投資者Union Square venturesは、SoundCloudへも投資しています。またTwitter社の取締役Peter CherninもまたSoundCloudへ投資を行っています。

この買収は面白いなあという感想と、成功して欲しいと思います。理由は簡単でSoundCloudが成長するため。おそらく買収されてもSoundCloudは現状の経営を続けるはず。その代わりにSoundCloudにはなかった資金やPR、企業やブランド、レーベルとのパートナーシップが期待できるからです。例えばTwitterは日本を含め世界中の音楽イベントに深く関わっています。そのような場でSoundCloudはもっと自社ブランドを活用した施策を打ち出せるようになります。そうすることで、今度はアーティストやレーベルのプロモーション活動も強化でき、SoundCloud活用の価値がますます高まることに期待したいです。

ソース
Twitter Is Considering a Deal to Buy SoundCloud(5/19 Re/code)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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