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音楽認識アプリでは最大手の「Shazam」が、これまでのShazamとは全く違う機能を発表しました。

新たに追加されたのは、「画像認識」。これまでは再生される音楽やテレビの番組やCMなどが対象でしたが、これからはShazamがポスター雑誌のページ包装されたグッズQRコードなども読み取りが可能になります。この「Visual Shazam」機能は、Shazamロゴの入った対象物をアプリでShazamします(スキャンする)。するとShazamのアプリ内で、ARコンテンツや、エクスクルーシブな動画、限定特典、グッズ購入のクーポンなど、画像を「ダイナミックなコンテンツ」として展開させることができるとShazamは語っています。

これまでの音楽認識機能に置き換わる機能ではなく、シチュエーションによって使い方を変えてコンテンツや広告とのインタラクションを拡げます。Visual Shazamは今日からロールアウトします。

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Shazamは発表と合わせて、画像認識に対応するパートナー企業を発表しています。

パートナー企業はこちらのメディア企業やブランド。すでにディズニーが映画「トゥモローランド」のプロモーションで、Visual Shazamを使った雑誌広告を出しています。

●The Walt Disney Company
●Target
●HarperCollins
●Esquire
●SELF
●Time
●The Wall Street Journal
●Outfront Media
●BlueSoho
●Merchbar
●boohoo.com
●Guerlain
●Evian
●Warner Bros. Interactive
●Southern Cross Austereo
●Phenix Groupe

アメリカ人アーティストのメーガン・トレイナー(Meghan Trainor)とニック・ジョナス(Nick Jonas)がアーティスト第一弾として、Visual Shazamを使ったキャンペーンをいち早く開始しました。

Shazamロゴの入ったポスターや雑誌のページをShazamすると、アーティストのグッズ販売を専門にするアプリ「Merchbar」と連携して、アーティストのグッズが購入できるページにファンを誘導してくれる仕掛けが用意されています。

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このVisual Shazamの大きな利点は、メールアドレスやSNS連携など手間の掛かる登録操作を一切する必要がなく、またサイトのアドレスさえも打ち込む必要もなく、コンテンツが見れたり購入ページに飛ぶことができる、アプリ内で完結するユニークな体験を実践できることです。

これまで紙のメディアやパッケージは、ウェブやモバイルと連動したインタラクティブな体験を作ることがどうしても難しく、高い制限に縛られてきました。ですがスマホのモビリティでなら、雑誌や壁に貼ったポスターをShazam(スキャン)することも自然の流れ。将来的には、Visual Shazamを通じてARや動画など読者の興味関心を深められるコンテンツを紙のメディアが提供できる可能性が広がりました。モバイル時代だからこそ生まれたアプリ的なアプローチですね。

例えば、アーティストのアルバムのビジュアルが入ったページをShazamしてボーナス・トラックをダウンロードできたり、ライブのチケット購入ができる、より深いつながりが生まれてきます。しかし多分、メディアの視点からはこの発想は生まれなかったはずです。なぜなら、今のShazamさえあれば、音でも映像でも紙でもメディアは関係なくなったのですから。

この画像認識はShazamを使った音楽プロモーションやマーケティングを進めたい日本のマーケティング会社やプロモーター、レーベルに向いているように感じます。音源や動画を使った個別の仕掛けよりも、今後はポスターやビジュアル、パッケージを上手く連動させた、フル・エンタメ・コンテンツを使ったファンとのエンゲージメントをユニークに実現できる施策が作れそうですね。

ソース
Shazam Introduces Visual Recognition Capabilities, Opening Up A New World Of Shazamable Content(Shazam)

Shazam! Meghan Trainor, Nick Jonas and Merchbar come together to pioneer Visual Shazam(MerchBar)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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