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2015年の12月クリスマスに突如、定額制音楽ストリーミングで配信が始まったビートルズ。これまで配信やダウンロードには消極的だったFab Fourが解禁されたことで世界中のビートルマニアや音楽メディアは湧き上がりました。

定額制音楽ストリーミングサービスでは世界最大のSpotifyは、配信開始から3ヶ月のリスナーデータをインフォグラフィックとしてまとめ公開しています。

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ビートルズは、驚異的なリスナーシップを示しました。Spotifyが展開する世界59カ国でビートルズを視聴した数は月間で650万人に上り、カタログ作品でも群を抜く注目を集めていることが証明されました。イギリスでは、67%のリスナーが35歳以下の若者層だったというデータも合わせて明らかになっています。

定額制音楽ストリーミングとビートルズの相性の良さを示す予期しないデータと言えるのが、100日間で聴かれた視聴時間を合計すると、なんと2793年という驚くべき時間が視聴に費やされたことが分かります。

最も聴かれた曲トップ4は「Here Comes The Sun」「Come Together」「Let It Be」「Yesterday」となりました。アルバムのトップ4は「1」「Abbey Road」「white album」「Let It Be」の順です。

Spotifyによると、ビートルズはSpotify上で近年チャート上位を占めるエド・シーランやアリアナ・グランデ、5 Seconds of Summer、Siaなど人気アーティストよりも人気があるアーティストとなったと伝えています。

オリジナルアルバムとコンピレーションアルバム合計13枚の配信をApple MusicやGoogle Play Music、Amazon Prime、Tidalなどサービス9つで2015年に解禁となり、その後KKBOXやdヒッツ、AWA、レコチョクなどローカルのサービスで配信が開始しました。これらは全て有料、または無料と有料のフリーミアム・モデルで利用できる、オンデマンド型の定額制音楽配信サービスです。

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ビートルズの視聴者データを公開したのはこれまでSpotifyのみ。このインフォグラフィックで紹介されたデータ以上の視聴時間と再生回数がわずか100日で獲得出来たわけになります。そして45年以上前に解散したビートルズを視聴しているリスナーの多くは、解散当時にはまだ生まれていなかった若者世代であることを考慮すれば、新しいファン層へのリーチの面で、ビートルズの配信戦略の一つとしては成功したと言えるのではないでしょうか。

ソース
Beatles rock Spotify in first 100 days of streaming(CNET)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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