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音楽とVRの組み合わせは、徐々にその選択肢が増えてきたが、品質をテーマにしたVR作品は、どこまで進化できるだろうか?

音楽ウェブメディア「Pitchfork」と、高品質なVRオリジナルコンテンツを製作するスタートアップ「Inception」は、音楽VRでのパートナーシップを発表、Pitchforkがプロデュースする音楽動画コンテンツをさらに強化する目的で、「Pitfhfork VRミュージック・チャンネル」を設立する。

Pitchforkは2008年から独自の動画チャンネルを設立し、ウェブやSNSで配信してきた。「Pitchfork Live」「Pitchfork Classic」「Over/Under」「A Brief History」などの動画シリーズは、ドキュメンタリーからライブ映像、動画クリップ、アニメーションと多岐にわたる形式で、音楽ジャーナリズムへの新たな取組みとして高い評価を受けてきた。

Pitchfork VRミュージック・チャンネルはInceptionが提供するフリーのモバイルVRアプリの中で展開予定。コンテンツの第一弾は、数週間以内に公開予定となっている。

Pitchforkの動画プログラム担当副社長のRJ・ベントラー(RJ Bentler)は、「音楽PVは10年以上もデジタル動画の分野を牽引してきた。私たちはこのアートフォームがより大きな没入感ある形式に変化する大きな可能性を感じています。これは、全く新しい音楽のビジュアリゼーションと体験です。私たちは今後に向けてクレイジーなアイデアを沢山用意しています」と語っている。

テルアビブで2016年創業のInception。マイクロソフトや広告業界など、さまざまな経歴を持つ5人の共同創業者たちによって始まった同社は、「VR業界のNetflix」と評され、エンターテイメント企業やメディア企業、ブランド向けに高品質なVRオリジナルコンテンツの制作を専門にするスタートアップ。コンテンツ部門のトップには、エミー賞受賞のドラマ「ホームランド」でプロデューサーを務めるラン・テレム(Ran Telem)を任命するなど、映像の専門家たちを招き、高い製作力を売りにしたVR製作で業界に変化を起こそうとしている。

音楽VRコンテンツでは、エレクトロニック・ミュージックの動画配信プラットフォーム「Boiler Room」と提携し、世界初のVRライブスペースを開設したことが話題に上った。

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Inceptionが目指すのは、音楽映像やアート作品にインタラクティブな要素を加え、エンターテイメントとテクノロジーを融合して、VRで多くの企業が苦戦してきたコンテンツ製作と配信プロセスを再構築しようとする。具体的には、映画監督がVR作品のプレミアを行ったり、映画祭がVR作品専用のプラットフォームを提供するなど、クリエイターが利用できるVRプラットフォームは可能性が秘められている。

InceptionのVRコンテンツは、主要VRプラットフォームやアプリで配信している。

音楽の分野でVRに取り組んでいるのは、Inceptionだけではない。アメリカのオースティンに拠点を置く「TheWaveVR」は、ファンがライブパフォーマンスと連動したVR体験を提供できるよう、アーティスト向けにVR会場を提供し、音楽業界に新たな収益源を開拓することを目指している。

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メジャーレーベルのユニバーサルミュージックは、VRスタートアップ「VRLive」と共同開発した独自のVRアプリ「VRTGO」をiOSとAndroidで展開し、音楽PVやライブパフォーマンスのVR版を製作し、レーベルの専用VRプラットフォームとしてプロモーションに活用されている。

ソース
Pitchfork and Inception Launch Virtual Reality Music Channel (Pitchfork)
Pitchfork and Inception Launch Virtual Reality Music Channel (inception)
Boiler Room creates ‘world first’ virtual reality music venue (BBC)

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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