音楽ストリーミングサービス、Spotifyがヨーロッパでのユーザー数が1,000万人に到達した。2006年に開始したSpotifyにおいて最も特筆すべきことは、現在このサービスはイギリス、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、スペイン、フランス、オランダのヨーロッパ7カ国のみでしか提供されていないことだ。Spotifyは世界最大の音楽マーケットであるアメリカに参入する前に達成してしまった。ちなみにCAが運営するAmebaのユーザーは今年7月で1,000万人だそうだ。
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Spotifyは有料アカウントユーザーと広告が主な収入源となっている。1,000万ユーザーの内、有料アカウントユーザーは全体の5-6%となる500,000人を今年7月に獲得したそうだ。つまりSpotifyはフリミアム収益モデルで成り立っている。
さらにSpotifyは強みである音楽コンテンツの拡充を推し進めている。9月には利用できる楽曲が1,000万曲以上を超えた。これはiTunesの1,100万曲に続く数字で、音楽ストリーミングサービスではLast.fm (650万曲)、Napster (900万曲)、MOG (700万曲)を大きく引き離している。
そして度々ニュースに上がっているSpotifyのアメリカでのサービス開始が、2010年以内に始まるとPaid Contentが書いている。レコード会社との交渉は進行中だが、米国サイドは音源をライセンスすることに中々踏み切れない様子で、特にワーナーは以前フリーの音楽SNS「imeem」への投資で失敗した経験から、フリミアムモデルのオンラインサービスには躊躇している。そこでSpotifyは課金モデルに変更を加えることを検討している。例えば曲の合間に広告が入る招待制の無料アカウントに対して何らかの機能(制限?)を設けることが考えられる。
また今後はTVやゲーム機などデジタル家電と連携したサービスの提供も視野に入れなければならない。
これまではニッチな市場だった音楽ストリーミングもSpotifyが1000万ユーザーを獲得することで大きなビジネス機会であることを証明した。その反面、DVD vs. ストリーミングのような比較も出来ず、評価基準も存在しないので、サービスにライセンスする音楽レーベルにとって納得できる要因がないとなかなか投資することは難しいだろう。ただ、個人的にはSpotifyを米国進出させることはスタートアップと音楽業界にとって、収入の分配やソーシャル機能、コンテンツ管理など新しいメディアに求められる連携に向けた大きな挑戦でもあり、ステップアップになると感じています。
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