無制限で音楽をストリーミングする欧州のスタートアップ「Spotify」(スポティファイ)が4大音楽レーベルの1社、EMIと米国でのライセンス契約の合意に近づいているとニューヨークタイムズが1月28日にレポートしている。
* 後日2月1日にEMIは経営権をシティグループに譲渡することで合意した。
欧州で人気の音楽ストリーミングサービス「Spotify」は、長引いてきた米国進出に一歩近づいた。ソニーミュージックと米国での音楽配信に合意した1週間後、SpotifyはEMIとの合意に近づいていると、交渉に詳しい情報筋が伝えた。
EMIおよびSpotifyのスポークスパーソンからはコメントが得られなかった。
もしも契約が合意に達した場合、4大レコード会社の内2社から賛同を得ることは、Spotifyにとって米国進出の大きな足がかりになる。しかし、最大手のユニバーサルミュージックとの契約は先が見えておらず、関係者によれば近々に合意が交わされることは無いとのこと。ニールセンのSoundScanによると、ユニバーサルは米国の音楽市場売上の31%を誇り、ソニーおよびEMIは37%を有する。
契約条件は分かっていない。しかし複数のレコード会社エグゼクティブは、1年以上前から米国進出における多くの約束事項を掲げてきたSpotifyとの長期にわたる交渉において、彼らが執着してきた点はビジネスモデルに関する事項であると述べる。Spotifyはレコード会社からライセンスされた大規模なカタログから音楽をいわゆる『フリミアム』支払いモデルを活用してユーザーにストリーミングしており、ユーザーは広告有のフリーなオプションか、広告無の有料会員オプションを選択できる。昨年、Spotifyは欧州7カ国でユーザー数1000 万人に到達し、その内750,000ユーザーが有料会員だ。同社はまた昨年に2700万ドルの損失を計上した。
多くの音楽エグゼクティブは、Spotifyのフリー/有料会員数比率は低すぎると述べており、また同サービスがほんのわずかな利益しか上げられず、はるかに魅力的なiTunesやAmazonなどのダウンロード売上を台無しにするのではと、懸念を示す。昨年行われたアナリストとの電話会議にて、米国市場のシェア20%を有するワーナーミュージックの会長兼CEOのEdgar Bronfman Jr.は、「フリーな音楽ストリーミングサービスは業界にとって利益にならない」と述べた。
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