iTunesに対抗すると噂される、グーグルの「音楽ロッカー」クラウド型音楽サービスが、問題に直面しているとMashableが伝えている。
音楽ニュースサイト「The Music Void」の情報源によれば、グーグルはレコード会社とのライセンス契約交渉が進まないことに焦りを感じている。特にワーナーミュージックは、グーグルに対し同社のサービスで年間30ドルを課金するよう示唆している。一方グーグルは、ユーザーに500曲までの利用をフリーで提供したいと考えている。The Music Voidは、交渉は止まった状態にあり、グーグルは別の戦略を計画中と伝える。
この状況を踏まえグーグルは、アマゾンがライセンス契約に合意せずに提供開始したオンラインストレージサービス「Amazon Cloud Drive」と同様の戦略に切り替えるか、またはサービスそのものを閉鎖するのではと伝えられる。しかしこれらは噂の域であり、交渉では何が起こるか予測できない。
このニュースを読んで、グーグルがアマゾンのモデルを採用するとは考えられませんが、ライセンス契約無しでのサービス展開も視野に入れていることを見せてレコード会社をけん制しているのではと、思いました。ただ、「音楽ロッカー」としてのストレージサービスになれば、ファイル管理はユーザー主導になる。そうなるとグーグルの強みである検索と広告が生きてこない。これではグーグルは満足しないと思います。
そしてアップルのようなデザイン性も無い、Spotifyのようなソーシャルネットワーク機能も持たないグーグルが立ち上げた音楽サービスがただの音楽ロッカーだったら、ユーザーが満足するでしょうか?
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グーグルは2010年末ごろから、音楽サービスに関する情報の頻度が増えてきました。社内でのテストに取り掛かり、カナダの音楽スタートアップ「Pushlife」を買収するなど、足場を整えてきています。さらに最近ではグーグルのアンドロイドアプリ関連の情報がメディアにリークされるなど、ハードウェア・ソフトウェア面でのサービス開発は順調に進行しているようです。
ただ問題はビジネス面でどのように収益化していくのかが、最大の難関です。アマゾンやSpotify、Rhapsodyなどのデジタル音楽サービスとどのように差別化できるかが、新分野に挑戦するグーグルにとっての焦点です。経営陣も刷新されたグーグルの音楽ビジネスの動きには、今後もアップデートしていきたいと思います。
次期音楽アプリ「Android Music 3.0」のスクリーンショット。
ストリーミング機能。オフライン機能。
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ソース
Google Reportedly Frustrated With Record Labels, May Pare Down Rumored Music Service (4/13 Mashable)