ユニバーサルミュージックが英国で始めるアナログレコードの面白い販売方法をご紹介。Billboard biz記事の抄訳です。
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ユニバーサルミュージックUKは元オアシスでビーディ・アイのリアム・ガラガーが展開する自身のファッションブランド『Pretty Green』の店舗で、アナログレコードを販売します。ユニークなのは、多数のアナログを店内でなく店頭のショーウィンドウに飾り、通りかかったファッション好きな音楽ファンは24時間いつでもスマートフォンアプリから購入することができるようにした仮想アナログレコードストアを実施。
利用者は『Mobile Money Network』の画像・QRコード認識機能付きモバイル決済アプリ「Simply Tap」でアルバムをスキャンしてその場で購入、後日アナログが届けられるという仕組み。プロモーションは6月10日まで行われます。
ザ・フー:フーズ・ネクスト(1971)/ 四重人格(1973)
ザ・キュアー:ディスインテグレーション (1989)
ポール・マッカートニー:マッカートニー(1970)/ マッカートニーII(1980)
ユニバーサルミュージックUKのコマーシャル部門ディレクターのブライアン・ローズ(Brian Rose)氏は、「アナログレコードに対する変わらぬ愛着と新たな関心の高さを, 我々は自社のアナログ専門オンラインストア『Uvinyl』や、盛況なインディー系音楽ストアによる素晴らしいサポートから実感しています。最新のテクノロジーを利用したPretty Greenとのパートナーシップにより、音楽を販売する機会が広がることを期待します」と述べています。
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Pretty Greenのブランドディレクターのナイジェル・グラント(Nigel Grant)氏は、「音楽が大きな部分を占めるPretty Greenにとって、ユニバーサルミュージックとSimply Tapとのコラボレーションは私たちのブランド価値に相乗効果を生み出すでしょう」と述べています。
英国レコード産業協会(BPI)によれば、2011年に英国内でのアナログレコード売上は前年比43.7%増の337000枚に上り、これは2005年以来では最高記録となりアナログレコードへの支持が近年高まっていることを示しています。
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英国も今でもアナログレコード人気が高く、特にコアな音楽好きの存在が人気を後押ししているようです。そしておそらく彼らは音楽以外の文化にも多感的だと考えられます。その一例として実現したのが、今回のコラボ。
ファッションと音楽は、アーティストやPVやプロモ写真などから注目を集めやすいためファンの興味を引きやすく価値観に共感してもらえる可能性が高い組み合わせ。しかもリアルな店舗から広がっていく仕組みは実際の体験を通じてブランドやコンテンツへのロイヤリティを高めることにつながると思えるので、今後も様々な場面で連携が見られそうです。
ユニバーサルミュージックは米国圏でも自社のオンラインアナログレコードストアを展開し、ジェイZやカニエ・ウェストなどの限定レコードを販売しています。
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日本でも同様のプロモーションを仕掛けたら、どのような反応が返ってくるか、気になります。例えば、極端ですがユニクロがジャズの名門ブルーノート・レコードのTシャツを販売するなら店頭でジャズレコードもモバイル決済で購入可能にするとか。
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よくある変なコンピレーションCDしか売ってない状況よりは、音楽好きな人には嬉しいと思います。ブルーノートはユニバーサルが買収したEMI傘下の会社ですが、まああくまでもたとえ話で。
今回モバイル決済アプリを提供するMobile Money Networkというスタートアップは、ビザ・ヨーロッパ(Visa Europe)が投資して15%も所有している企業です。
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