iTunesやAmazon MP3等に楽曲を配信するデジタルミュージック・アグリゲーターのTunesCoreとCD Babyが、音楽ストリーミングサービス『Rdio』との提携を発表、これにより両社が配信するDIY/インディーズ系アーティストの楽曲を急成長中のストリーミングサービスで、より広範な音楽ファンへと届けることが可能になりました。
米国に拠点を置くRdioは今回の提携で提供する音楽カタログを拡充、合計1800万曲以上に増やし、競合するSpotifyを超える程に拡大しました(Spotifyが提供する楽曲数は1700万曲以上と言われる)。今回インディーズ系アーティストのカタログを加え、Rdioのセレクションはより多様化します。
アーティストへの利益還元の最大化を目的としたサービスを提供するTuneCoreとCD Babyを利用するインディーズ系アーティストは、Rdioがサービス展開する、米国、カナダ、ブラジル、ドイツ、英国、フランス、スペイン、ポルトガル、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドの13ヶ国のユーザーに音楽を提供することが可能となりました。
今回の発表はインディーズ系アーティストにとっては、デジタル音楽における大きな前進だと感じます。なぜなら自分達が提供できる音楽サービスの選択肢が広がっただけでなく、多様化したからです。例えば世界展開を視野に入れた場合に利用できる音楽ストリーミングサービスは、Spotify(またはDeezer)のみでしたが、Rdioユーザーにも提供することが可能になりました。
また、ブラジルやカナダなどSpotifyが展開していない地域の音楽リスナーにもRdioで提供できるようになることも、リスナー規模を広げるためには重要になるでしょう。
さらに、今回Spotifyと競合するRdioがインディーズ系アーティストを広く抱えるデジタル音楽ディストリビューターと契約したことは、音楽ストリーミングサービスがインディーズ系アーティストの価値を評価していることとも捉えることができるのでしゃないでしょうか。(SpotifyはすでにTuneCoreおよびCD Babyとの提携があります)
これらの特徴は、インディーズ系アーティストにとって広く音楽ファンに聴いてもらう機会を増やし、届けることにつながります。
TuneCoreはiTunes, Google Play, Amazon MP3ストアなどダウンロード/ストリーミングサービスに楽曲を配信します。ドレイク、ナイン・インチ・ネイルズ、リル・ウェイン、Jay-Zから世界各地のインディーズ系アーティストまで様々なジャンルから多数のアーティストがこれまで楽曲をデジタル音楽サービスへ楽曲を配信してきました。
また今夏からは日本でもTuneCoreのサービスが始まります。こちらのサイトで『TuneCore Japan』について詳細が見れます。
CD Babyは、300,000組のインディーズ系アーティストが利用し、デジタル音楽配信に加えてCDでのリリース配信事業も運営しているディストリビューターです。
RdioもSpotify同様に、フリーミアムモデルで会員獲得を目指していますが、Spotifyが広告付きの無料プランと広告無しの有料プランの組み合わせである反面、Rdioのモデルでは無料プランも広告無しと、サービス形態が異なります。
Rdioは7日間の無料期間と、有料プランで4.99ドルのウェブアクセス、9.99ドルのモバイルアクセスを提供します。また複数のユーザーで利用できる17.99ドルのファミリープランも提供するなどユニークな料金プランも用意しています。
RdioはモバイルアプリをiOS, アンドロイド、Windows Phone, ブラックベリー向けに提供しています。またオーディオシステムのSonosとRokuとも連携してリビングルームでのストリーミング再生を実現可能にしています。
image via Flickr Veronica Belmont
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