へヴィーメタルのレコード会社「Century Media Records」は、2011年8月に音楽ストリーミングサービス『Spotify』から登録を解除し、楽曲カタログへの提供を中止しました。約1年後の2012年7月、Century MediaはSpotifyでの配信を再開したことを発表しました。
北米担当社長のドン・ロバートソン (Don Robertson)は、「私達はSpotifyを通じて思い立った時に音楽へのアクセスを望む音楽ファンの意見を尊重します。」と述べています。また、「しかし、私達はまたミュージシャンの権利を考慮しなければなりません。価値評価の結果、このプラットフォームがミュージシャンと音楽ファンの双方に対応できると自信を持って前進することとなります」ともコメントしています。
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Century Mediaは、「Duff McKagan」, 「Behemoth」, 「Iced Earth」など, Nightwish, Firewind, Paradise Lost, Arch Enemy, Children of Bodom, Deicide, Opeth and Napalm Death.200以上のアーティストを抱え、米国、ドイツ、英国、オーストラリアに拠点を構える。
SpotifyやRdio, MOGなど音楽ストリーミングサービスは、世界各地で急速に成長していますが、反面新しいビジネスモデルを採用しているため、レコード会社やアーティストの中には収益面での不安を声に出す人たちが存在してきました。
今回の決定を下したレコード会社は、Spotifyでのストリーミング配信に関してファンから送られた数千のメッセージおよび議論に感銘を受けたことが、今回の決定を後押しした要因の一つの模様。勿論ビジネス上の利益を考慮した上での決定だと思いますが、Century Mediaのようにオープンな意見を発表するレコード会社は稀です。
まだまだ賛否両論に揺れ動く音楽ストリーミングサービスの消費者とビジネスへの価値を明確化するためにも、多くのステークホルダー(アーティスト、レコード会社、権利保有者、消費者)を巻き込んだ議論へ注目を喚起することが、今後必要と思います。
またアーティスト側としては、長年デジタル配信を避けてきたフランク・ザッパのような大物ミュージシャンも、iTunes始めSpotifyなど音楽ストリーミングサービスへ配信を開始し始めました。彼のような例が増えることで、その他のアーティストやレコード会社も音楽ストリーミングサービスなど新しい音楽配信モデルに対し、態度を軟化または可能性を考慮し始める傾向がで始めるのではないでしょうか。
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