ロックミュージシャンのニール・ヤングが立ち上げた、ハイレゾ・オーディオ・サービス「PonoMusic」が徐々に全貌を見せはじめました。Kickstarterで資金集めを行えば620万ドル (約6億6,000万円)が集まったPonoには、ミュージシャンや音楽好き、メディアから高い注目を集めてきました。
ビジネス・ソフトウェア企業Salesforceの年次カンファレンス「Dreamforce」にゲストスピーカーとして登場したニール・ヤングは、集まった1万4,000人の観衆を前にPonoMusicの現状を報告しました。
まず24ビット192khzのFLACファイル形式の音源カタログにアクセスできるPonoMusicストアは、現在60万曲以上の楽曲が集まっており、ニール・ヤングの音源はもちろんアーケード・ファイアやプリンスなど人気アーティストの楽曲も揃っています。PonoユーザーはPonoMusicからダウンロードしたハイレゾ音源を、自社開発のPonoPlayerにシンクさせ再生します。
ニール・ヤングによれば、PonoMusicはユニバーサルミュージック、ソニーミュージック、ワーナーミュージックなどメジャーレコード会社やインディーズレーベルと配信のライセンス契約で交渉を進めてきました。そして現在、約200万曲をPonoMusicストアに連携させる準備に入っていると言います。
ただニール・ヤングは、PonoMusicがいつから開始になるか、明言は避けました。
またPonoPlayerのサウンドについては、レコーディングされた本来の音質で音楽再生するとし、CDやMP3形式の音楽を「葬る」だろうと言います。
ニール・ヤングはKickstarterキャンペーンについて、本来はPonoPlayerの開発チームは80万ドルの資金を集める予定だったところが600万ドル以上が集まったと言います。
SalesforceのCEOで大の音楽好きのマーク・ベニオフもPonoとニール・ヤングに賛同する1人です。ベニオフは「ヤングは可能な限り全てのミュージシャンのオリジナル・マスター音源を調達し、ディープなデジタル・ファイルへと変換している。だが興味深いことに、まるでアナログレコードを聴いているような感覚を覚える。ヤングは休む間も惜しんで素晴らしい斬新なカスタマーサービスを構築しました。これは初めてiPodとアナログレコードが融合した感じがする」とPonoを評価しています。
ヤングは
我々は音楽にフィーリングを取り戻そうとしている。鳥肌が立つ感覚を取り戻そうとしている。音楽はいつの間にか騒音になってしまった。今は21世紀だ。テクノロジーを感じる時が来た。
と語りました。
PonoはKickstarter支援者には今月末にはPonoPlayerを発送する予定です。その他の一般消費者はサイトでプレオーダー (399ドル)すると3月までに手に入れることができます。
PonoMusicストアのアルバム購入は、15ドル〜25ドルになると予想されます。
Dreamforce会場ではニール・ヤングがゲストとして登場した以外にも、会場内にブースを設置しハイレゾ音源の再生デモを実施したり、グループがステレオにつないだPonoPlayerからの再生を体験できる特設エリアも設けています。