日本でようやく盛り上がり始めた「音楽ストリーミングサービス」。新しい音楽の聴き方として定着するか、音楽ビジネスの新しい収益源になるのか注目が集まるところですが、この領域で先行する北欧各国では、すでに市場で音楽ストリーミングサービスが定着した結果、音楽シーンの業績が回復する結果を生み出した、デジタル音楽の成功例です。その成長は2015年に入っても止まりません。最新のレポートで明らかになっています。
国際レコード産業連盟(IFPI)が7月に発表したレポートによれば、スウェーデンの音楽市場では売上総額が5億750万クローネ(約73億円)で、前年同期比から4.2%成長を記録しています。成長の原動力は音楽ストリーミングサービスからの収益で、前年同期比7.4%の4億2580万クローネ(約62億円)を記録。実に市場シェアの83.9%を占め、2014年1-6月期の81%からさらに拡大しています。
スウェーデンではトラックダウンロードも4.3%成長しましたが、売上高では1990万クローネ(約2億8800万円)とストリーミング売上の5%も満たしていません。
ノルウェーでも同様に、音楽市場のプラス成長が記録されました。1-6月期の売上総額は3億510万クローネ(約45億6500万円)で、前年同期比の2億8520万クローネ(約42億6700万円)からさらに増加。そして音楽ストリーミングも2億1980万クローネ(約32億円)から2億4820万クローネ(約37億円)に拡大して、市場シェアの81.4%を占めています。
ノルウェーではトラックダウンロードが減少するという結果でした。しかしSpotifyを中心に、音楽ストリーミングが主流となった北欧の音楽業界では当然の結果かもしれません。スウェーデンではSpotifyの他にも、Google Play、Napster、Rdio、Deezer、Groove Music(前Xbox Music)そして、今年に入ってジェイ・Zが買収し運営を始めた高音質音楽ストリーミングのTIDALと数多くの企業が参入しています。
北欧では音楽ストリーミングの利用が音楽消費として消費者に認知されるほど、市場で浸透していることが、ストリーミングの成長における要因になっているようです。サムスンとLightspeed GMIがネットユーザーを対象に行った調査によれば、フィンランドでは70%、スウェーデンでは67%、ノルウェーでは65%、最低だったデンマークでも58%と、高い利用の度合いを占めていることが分かりました。
ソース
Streaming Music Remains a Hit in the Nordic Countries(eMarketer)