ソニーは8月1日に、第1四半期(2017年Q1、4-6月期)の決算を発表しました。
決算報告の中で発表されたソニーミュージック関連の音楽ビジネスの収支が好調な結果を達成しています。米国を拠点にするソニー・ミュージックエンタテインメントと、音楽出版社ソニー/ATV、日本のソニー・ミュージックエンタテインメントを含む連結業績は、売上高が前年比18.8%増加して1686億円、営業利益は57.6%増加して250億円の増収増益でした。
ソニーは音楽ビジネスの好調な理由に、音楽ストリーミングサービスからの売上増加を増収の理由としています。
また、2017年Q1にはヒット作品にも恵まれ、ハリー・スタイルズのデビューアルバム「ハリー・スタイルズ」、ザ・チェインスモーカーズの「メモリーズ ドゥー・ノット・オープン」、乃木坂46の「生まれてから初めて見た夢」を挙げています。
さらに映像プラットフォーム・ビジネスの好調は維持したままで、スマホゲーム「Fate/Grand Order」のヒットが増収へとつなげています。
昨年を振り返ると、2016年Q1の業績は、売上高1419億円、営業利益が159億円。ソニーミュージックはこの時も売上高が2015年Q1から8.7%増加しています。その要因を「ストリーミング配信売上の増加」としているため、全世界的なソニーの音楽ビジネスにおいて、音楽ストリーミングサービスからの売上は無視できない存在になっていることは間違いありません。
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ソニーミュージック業績の内訳
ソニーミュージックの業績をフォーマット別に見てみると、ストリーミングの売上はもはやフィジカルの売上を超えて、グループ内で最大の収益源となっていることがわかります。
Q1では、デジタル売上が51.3億円。その中では、音楽ストリーミングからの売上は38.4億円に対して、ダウンロードは12.9億円。CDやアナログレコードなどフィジカルからの売上は33.6億円に留まっています。
2016年度の業績から今季までの業績でまず明白なのは、ダウンロードの売上の低迷。2016年Q1に記録した16.7億円から今季は77.9%も減少しているほどで、今季も過去5期で最低の売上高になっています。
業績推移を見ても、今季は音楽ストリーミング(前年同期比25%増)、フィジカル(前年同期比16.26%)に比べて、ダウンロードは前年同期比22.1%減少と、音楽売上ではブレーキになっています。
しかしながら、現在好調なのは、音楽ストリーミングサービスからの売上であることは、数字が証明しています。2016年Q3には40億円に到達しており、今季もまたそこに近づくほどの増収を達成しています。
音楽売上全体をパーセンテージ別に見ると、デジタルが全体の51.5%を占めて2016年Q1の52.7%から微減。ストリーミングは38.5%、ダウンロードは13%、フィジカルが33.6%、その他の売上は14.9%でした。
ソース
2017年度第1四半期 連結業績のお知らせ(ソニー)
2017年度第1四半期 説明会配布資料(ソニー)