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7月14日に待望の米国サービスを開始した、無制限の会員制音楽ストリーミングサービス「Spotify (スポティファイ)」の共同設立者Daniel Ek氏が、コロラド州アスペンで行われたFortune誌主催のイベント、Brainstorm Tech に登場し、USローンチについて心境を初めて語りました。

Spotifyは1500万曲をフリー(毎月最大10時間の制限あり)で聴けるオンデマンドな音楽サービスです。長時間の音楽を聴きたい場合、ユーザーは月額制の有料会員になるか、1曲ごとに購入することができます。

インタビューの中で、Ek氏は音楽と未来とソーシャル性について語っています。彼が考えるSpotifyは、iTunesのライバルでありながら、次のソーシャルネットワークとなりえる存在ではないでしょうか。日本では展開されていない同サービスは音楽だけでなくコンテンツやウェブの分野において非常に参考になります。

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スウェーデン出身のEk氏は今28歳。2006年に設立したSpotifyをヨーロッパ7ヶ国に拡大させ、現在では1000万人以上の会員数を誇るサービスに成長させました。

動画はこちらのサイトで視聴できます。

以下は抄訳です。

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米国サービスの反響

「私たちはサービス開始の反響に本当に圧倒されました。(もしSpotifyが米国でロールアウトの規模を制御していなかったら)負荷が大きすぎて、サービスは崩壊していたでしょう」

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音楽の未来

「Spotifyが示しているのは、音楽のオーナーシップ(所有)はすばらしいことだが、未来はアクセス性にあるということです。ユーザーがSpotifyの有料会員になる理由は、ポータビリティ(携帯性)です。『自分の音楽をいつも手元に持ちたい』と言っています」

現在Spotifyは有料会員160万人を抱えているとEk氏は説明します。

サービス名「Spotify」の由来
『Spotify』の名称の由来は、「spot」と「identify」を組み合わせた言葉遊びから生まれました。私たちは、ソーシャル性を組み込んだ音楽ディスカバリーを想像しました。これは、私たちが全力を注いで行っている、ユーザーが音楽を思い浮かべてから再生するまでの時間を最小限にするということに関連しています。

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Spotifyのソーシャル機能

「Spotifyは2年ほどFacebookと協力して連携を強化してきました。連携機能では、ユーザーがSpotifyにログインしてSocialボタンをクリックすると、Spotify利用するFacebookの友人が画面上に表示され、名前をクリックすると彼らの音楽コレクションをみることができます。」

「一般的に人は音楽を共有することに満足しています。レディーガガとブリトニー・スピアーズが(プレイリストに)混ざっている場合以外はね」

アーティストにとってもSpotifyの活用でメリットを得られます。Spotifyはソーシャルサービスであるため、アーティストは共有機能をTwitterなど既存のチャネルと連携させることで、プロモーションに利用することができます。

Spotifyの今後の成長

Ek氏はユーザーが西洋諸国の人気音楽だけでなく、全世界の録音された音楽へ即座にアクセスできることを見込んでいるようです。

私達のゴールは、世界中全ての音楽を提供することです。アフリカ音楽、南米音楽、アジア音楽も全てです。
“Our goal is to have all the world’s music — all the African music, all the South American music, all the Asian music,” 

私たちは大手レコード会社4社に加え、25,000のレーベルと契約しています。

世界中の録音された音楽の内、何パーセントがSpotifyのデータベースに入っているのか、の質問に対して。
「20%というよりも80%に近いと思います」

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このインタビューを見て感じたことは、Daniel Ek氏はSpotifyを音楽配信ツールというより『音楽 SNS』の役割として発展させるのでは、と感じました。音楽というインタレストグラフ、ソーシャルグラフから発展する音楽発掘や共有、モバイルのアクセス性を生かしたインスタントなつながり。ユーザー同士がつながりやすいカタチを、音楽でつなげるサービスではないでしょうか。

個人的にはSpotifyの大きな価値は、音楽を通じたインタラクションで、人と人がつながることが出来ることだと思います。この部分は今のオンライン文化を理解しているからこそ実現しているように感じます。

思えば競合のCEO達はこれまで企業やスタートアップで結果を残した連中ばかりですが、あまりソーシャルメディアやコンテンツ配信には関連性が低いように思えます。あえて言えば、現Yahoo Music RadioのベースとなったLaunchcast(当時MusicMatch)を設立したSlacker RadioのCEO, Dennis Muddが一番ソーシャル世代に近いかと。。。

なので、どのサービスもSpotifyほど(iTunesやアマゾン等)現行の音楽ダウンロード型ビジネスに対抗できる可能性を感じることができません。多分それは音楽コンテンツをビジネスの絶対目的として捉えているからではないでしょうか。ソーシャルネットワークとコンテンツビジネスが融合した時に初めて企業とユーザー・参加者お互いがハッピーになれるエコシステムが構築されると予感します。。

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ソース
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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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